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17. Too dash

<これまでのあらすじ>


 中規模商社の営業職、更科巧さらしなたくみ31歳は、夜の山道をドライブ中こっそり乗り込んでいた女の子を成り行きで街まで送ることになった。

 女の子の名は有本藍子ありもとあいこ、地方銀行に勤める25歳。身に覚えのない周囲からの冷たい視線に耐えながら日々なんとか暮らしていたところ、行内で噂のエリート王子様(江口総一郎)に熱烈なアプローチを受けるようになる。

 なぜか江口と食事をする事になった藍子だが帰宅途中、江口に襲われると勘違いから逃げ出し、その先で偶々たくみの車を見つけ潜り込むことにした。

 たくみに街まで送ってもらった藍子は家に帰る気にもなれず、たくみに縋ることを決意する。

 藍子との思わぬ再開をしたたくみは、しょうがなく申し出を受け入れ藍子を匿うことにしたが、解決策が思い浮かばず同僚の新道と先輩にあたる美咲に相談することにした。

 藍子を交えた新道達との飲み会の成り行きで、藍子は美咲に引き取られることになり、

たくみ達の会社(八笠商事)へ勤める事となった。

 順調に見えた日々に、突然関連会社との共倒れ(倒産)の危機が訪れる。

自分なりの出来る事をと、たくみは取引先の新規開拓を模索する。


 ふと以前付き合いのあった元高荻の営業中西の事を思い出したたくみは連絡をしてみる事に




   17. Too dash(脱出)



 中西さんの話は聞くほどに魅力的で、「これはいけるんじゃないか?」と思いながら進んだ話は、終盤では(たくみ)の中で「これはいける!」と確信に変わっていた。


 現地のサポートは中西さんが全面的にバックアップしてくれるらしいので、これ以上ないほどに心強い。

――(あとは外取(海外取引)部にどう話を持っていくか……)


 外取部に話を持ち掛けたところ、案の定「何コイツ?」と難色(なんしょく)を示されたが、担当してもらった佐々岡係長とお茶を飲んでいた時


「え? 更科、EG(五代目シビック)乗ってんの? ()いなー!オレも探してたんだけどタマ(市場の在庫)がねーからEK(六代目)にしたんだよなぁ、良く見つけたな?」

という話になった。

――(会社でこのテの話する人初めてだな)


「でもどうせならEF(四代目)に乗ってみたかったですね、ZC(エンジン型式)の方がシビックらしいって気もして、でもそれこそ車もパーツも厳しいみたいだし・・・」

 ちょっと嬉しくなって乗っかってみる。

「…… お前金曜日空けといてくれ、飲みながらじゃねーともったいないわ」

佐々岡係長が俺の肩を掴んで言う。


 その後一緒に走りに行くことになって、東南アジアの件もいつの間にか佐々岡さんの全面的バックアップで話が一気にまとまってしまった。

――(ありがたいけど大丈夫かな、この会社? ……)


「たくみ! 俺たちはB16(五,六代目ENG型式)を世に残す為の同志だ!」

その後も佐々岡さんとは飲み仲間で、走り仲間になっている。


 とりあえず美咲さんや長谷部さん(あとアリアもだな)にも話をしておこうと財務部に向かう途中でアリアに会ったので、一通りの内容を話すと

「がってんでい!」

と(そうは言っていないが)いう顔で戻っていった。

――(またフルスロットルでどこかに突っ込まないだろうな? あの子……)

と後ろ姿に不安を感じながらも、頼もしさと元気さが眩しかった。


 その後の俺はというと、会社内の関係部署との調整や、都内本社の資材管理部や現法部とのやり取りなんかで、今までにない忙しさに振り回されていた。

 大して広くもない会社なのに、初めて行く場所、初めて会う人、初めて言葉を交わす人がこんなにいた(あった)のかと、大変さの中にも新鮮な気分を感じていた。


――(アリアはもっと大変だろうな…… 。そろそろ報告会も近いし大丈夫かな……)

考えるとまた心配になってくる。



                 つづく



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