8話「僕が守る」
「おい、この少女を捕らえろ、そのあと全国の刑務所に死刑囚のことを伝え。条件に見合う男女10名ずつ捕まえてこい。その男女10名ずつは王の血の家系にする」
そんなことを言う、私が捕まらなければ全部解決するんだ、だから私は逃げ回る、
絶対捕まってはいけない、この政府たちは罪深いけど殺すわけにはいかない。でも仮に殺しにかかったとしても多勢に無勢。無理に決まってる、逃げ回ったってきっとすぐ捕まる、ジリ貧だ。さっきから銃を打たれまくっている、多分麻酔銃とかそう言う系統だとは思う、私のこと利用しようとしているのだ。無駄に血を流すことさえ許さないのかもしれない。
「うわっ!!」
後ろに集中しすぎて躓いて転んでしまった。ここは森、足元はすごく悪い。でも今までここで戦い続けたし大丈夫だと思っていた。でもミスをして足を捻って転んでしまって痛くて動けない。多少の怪我なら我慢できる、でも足を捻ると言うのは意外にとてつもなく痛いもの。
「全く手間をかけさせやがって、連れて行け」
そう指示を出され私に寄ってくる奴ら
「やめて、来ないで….!」
もうだめだ。私の幸せな暮らしは一瞬で壊される、ようやく手に入れた幸せを壊され一般人の幸せも壊され死刑囚の権利すらも壊される、政府は自分のことと大勢の人のことを考えて少数派の人は何一つ考えない。私だって吸血鬼を無視したりはしたけど政府の討伐隊に任せればいいと思ったから。大丈夫だってわかっていたから無視したんだ。本当にやばければ行くつもりだったし。やめて、嫌だ、幸せを壊さないで。
「何してんの?」
知ってる声が、聞き慣れた声が。そんな緊迫した空間に流れた、
「誰だ!」
政府の人たちが警戒して後ろを振り返る。すると
「僕らは最強吸血鬼。その子でさえ殺せなかった、そして一族を全員殺した吸血鬼だよー?君らじゃ僕らには勝てないよ?ハンターの大人でさえ殺せなかったどころか一瞬で殺されたのにハンターじゃない人が僕らを殺せるわけないでしょ?」
そう言って余裕そうに笑って見せる湊とそれに呆れる蓮、
「はーあ、こうなっちゃうと俺より凶暴化するんだよなぁこいつ。こいつさ以外のその子のこと大事にしてたから結構怒ってるよ?俺が出る幕じゃないから俺は手を出さないけど。まぁその子の保護くらいの補助はするからな」
「何言ってやがる!!殺せ!おい!!お前ら1!お前もだよ!」
そう言って周りの護衛と私に怒鳴る偉そうな人。仮に私が政府に従順な人だったとしても足を捻って動けないのに戦えるわけがないし私は彼ら側だから戦うわけがない。戦うなら政府に対して牙をむける
「蓮。千夏を保護しといて?僕はこの人たちをわからせてからお屋敷に戻るから。千夏、ちゃんと後で話を聞かせてもらうから」
ちょっと怒ったような声で私にいう
「わかった、ごめん」
そう言うと笑顔になって優しい声で「もう大丈夫だよ」と言ってくれた。
湊side
警報が鳴ってから千夏はおかしかった、周りをすごく警戒して僕らに隠し事をして。本当になんでなんだろうって思った。ある日チャイムがなって千夏はでた。その後いくら待っても帰ってこず玄関を出ると複数の人間の匂いがした。千夏は逃げたかここから連れ去られたかどちらかだと瞬時に判断した。思考を巡らせて千夏が逃げたと判断した。なぜなら千夏は元ヴァンパイアハンターでそう簡単に捕まるほど弱いとも思えなかった。多勢に無勢、なおかつ人間の女の子。そして不意打ち。千夏でもやられている可能性は十分すぎるほどあったけどこの時の僕はなぜか逃げていると思ったのだ。そして蓮に報告して千夏の匂いを辿ると足を捻ったのか足を抑えて動かない千夏と大勢の人間。僕はすぐに千夏を助けに行くためにその場所に向かって声をかけた。蓮に千夏を保護させてその場から離れさせた。警戒していたあたり千夏を狙ってか知らないけどこいつらがくることを千夏自身わかっていたんだろう。なぜ僕らに言わなかったのか後で聞くつもりだ、でも先に千夏を傷つけた奴らに天罰を下す、
「さぁ僕と一緒に遊ぼうか?命をかけた殺し合いでね。いいよ?全員で一気にかかってきても、一瞬で捻り潰してあげる。痛みなんてない一瞬だよ。本当は痛めつけてやりたいけど早く千夏の所に帰りたいからね。あ、でもそこの偉そうな人だけは殺してあげない。屋敷の地下牢に持ち帰ってあげるから」
そうやって満面の笑みで笑ってみせる。その瞬間奴らの勢いが減った。
笑顔は怖いよくわかるんだね。
僕は一瞬で彼らを殺した。そして怯える偉そうなおじさんを捻り潰した。本気で痛めつけるわけないでしょうに。千夏が嫌な思いするから
そして僕はお屋敷に帰って千夏を問い詰める
「千夏、どうして僕たちに相談しなかったの?千夏はわかってたよね?あの人たちがここにくること。」
そういった。千夏は小さくうなずいた。それはおそらくここに奴らがくることを知っていたことを指す。
「で。どうして相談しなかったの?確信を得られなかったからなんて言い訳は通用しないよ?」
そういう、そう言いたかったのに。と言いたげな顔をする千夏。僕は何もせずただ千夏を見つめて答えを待っていた、蓮もその場でじっとして何もしない。戦闘狂の蓮は動くのが大好きだから動ける雰囲気じゃないこの環境に耐えられるかわからないけどまぁもし無理になったら勝手にどっか行くだろう。蓮にだって無理させるつもりはない。
「蓮、じっとしてるの苦手だろうからこの場から離れたかったら離れていいからね。千夏。僕はいくらでも待つよ?千夏を守りたいんだよ。僕は。そこまで弱くないのはわかってるけどさ千夏1人じゃ限界があるの!」
そんな言葉も届かないのかもしくは僕に言いたくない理由があるのか
「僕には言えない?蓮にはいえる?」
そう優しく問いかける
すると「うん」と小さな声でそう言った。
なんで蓮には言えるんだろう。そう思いながらも「じゃあ蓮と2人にするからちゃんと言ってね?蓮呼んでくるから待ってて」
どうして僕には言ってくれないのか。僕より蓮を信頼してるから?まぁ確かに千夏の血の繋がった家族を殺したのは僕だけどさ。蓮の方が好きだから?確かに僕は好かれるようなことした覚えはないしむしろ嫌われてもおかしくはなかったけど蓮だって大概同じなはず。影で何かしてたのか?蓮に後で聴いてみようかな
でも蓮が素直に答えてくれるのか?なんでかは知らないけど僕より蓮を優先した千夏。蓮だってこんだけ一緒にいたんだし千夏になんらかの感情を抱いてたっておかしくない。実際僕は過去のあの子に似ているから関わり始めたけど千夏が好きだ。これが恋っていうやつなんだろうか?人間の女の子と長年生きてきた吸血鬼、そんな恋が成り立つのだろうか?残りの寿命も生きてきた年数も圧倒的に僕が上だ。でもまずは千夏の気持ちだろう、だって多分、蓮のこと好きでしょ、、どう言う意味の好きかは知らないけど。
いやぁなんかもう何話かわからんくなってきました......読みづらかったらマジですみません。