打ち上げ
お久しぶりです。
「昨日先生達で打ち上げに行ったんですよ。仕事帰りに。」
「嘘つけ!!」「嘘言うな!」
「まだなんも話してないだろ!」
スティーダム先生の話で少しざわめいていた教室で、早めに授業の準備を終わらせた木一がヌルヌルとチャイムを待つ。
「続きは号令かけた後で、」
「えー…」
と、何人かが難しそうな顔をしながら声を漏らす。
すると、チャイムがなった。
「きりーーーつ」
と、津沢がいつもよりゆっくり号令をかける。
「きをーつけー」
みんなが津沢の方を見て笑いそうになる。
「れーーーーい」
「やかましぃーわ!」
そして、全員で…
「お願いしまーーす」
「真面目にやれ!…はい、授業始めますよ。ちょっとその前に、面白い話をしましょう。まあさっきちょこっと話したんですが…」
「皆さん、お疲れ様でーす!」
と、永見が楽しそうに声を出す。
「こんな若い子を酒の席に連れてきちゃっていいんですかね…」
と、木一の隣に座っていた熊井が小声で木一に向かって話す。
「いいじゃないですか、たまにはこんなのも。」
すると、さらに隣のスティーダムが
「ニホンノコウイウオサケハ、オイシイ。」
「いいですよねー日本酒。」
和風な居酒屋を提案した熊井先生がスティーダムと会話を始める。
そんな中、永見先生の隣の席に座る、竹島という、ベテラン先生が永見に声をかける。
「あなたねぇ、あんまりお酒を注いじゃダメよ?いくらあの人達が先生だろうと、中身は男、気をつけなさい?」
「まあまあ、そんなこと気にしないで楽しみましょうよ?」
「まあ、そうかもね」
そんな楽しい時間をしばらく過ごしてたいたのだが、ずっと黙り込んでいた校長先生が突然話し始める。
「君たちに1つ大事な話がある。分かっているよね?木一君、上川君、特に君たちは。」
「クラスの事ですか?」
「そうだ。くれぐれもあの時の二の舞にならないよう、最大限の注意をしてもらわなくては。」