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少年はサンパレスを目指す  作者: 第二元素
1/1

じわっと暑い昼下がり

生まれて初めて書き物に挑戦デス。

A ♩=80

聞こえてくるセミの声がアブラゼミだったのでもう昼に近いのかなと思いながら

既に汗を含んで若干湿った感じのタオルで額の汗をぬぐった。

校舎の二階にある音楽室のほうを見るときちんと閉められた窓の内側に

一体どうやって取り付けたのか分らない形状になった使い古されたカーテンが見える。

そこから聞こえてくるのはまるで原型のわからなくなった課題曲のマーチだ。

トリオのちょっと前で演奏は止まり、20秒ほど経ってから演奏は再開される。

そのまま聞いているとなんとかエンドまでたどり着いたようだ。

しばらくするとカーテンが持ち上げられ、次々の窓が開けられていく。

開けているのは汗だくになった二年生の男子生徒と二人の一年生男子だ。

「選抜なのは羨ましいけど、あの状況はちょっと考えものだなぁ・・。」

そう呟いた直後に「ちょっとぉ、ちゃんと練習しぃよぉ またみんなが怒られるよぉ」

とフルートの女子が迷惑げに注意してくる。まぁ、実際練習をしていないので

「はいはい、すみませんねぇ、ちゃんと練習します。」と応え、練習に戻ることにする。


新聞やテレビでまだ梅雨が明けた、とは目にしていないので時期的にはまだ梅雨。

それでも今日の天気はもう夏だと断言しても誰も文句は言わないであろう。

気温は30℃にはちょっと届かないがもはや暑いの一言で十分。湿度も十分に不快な感じ。

そんな中少しでも涼を取りながら食事ができる場所として一年生には人気のある

北側校舎の日陰で一年生男子10人はそれぞれの昼食をとるために手提げ袋から

弁当箱だったり、総菜パンだったりを取り出し準備を始める。

「林田、午前中の合奏どうやった?」そう聞いてみると水筒をほぼ垂直にたて

一息で飲み乾さんとする雰囲気で飲んでいた林田が大きく息を吐いて、

「いや、ホント、ブラスバンドってもっと文化的なもんかと思っとったけど、

これじゃぁ力石の減量のシーンですわ・・・・。」と一言。

もう一人の選抜メンバー入りをしている木田に至っては大の字で伸びてる。

これで森田がいれば彼らのいるテューバパートはかなり癒しあふれる

雰囲気だが上級生二人は残念ながら前田姓と今田姓、

一年に後藤とかくれば時系列ビンゴだったのに、などと自分らにはどうしようもない

苗字での話題作りにもりあがっていたらしい。


一年男子の中で最近話題沸騰の「カレーパン」のパッケージを開けながら

パ-カッションの高浜がレギュラー二人に問いかけた。

「ところでさぁ、例の話はどうなったん?」

皆気になっていたのでおのずと目線はレギュラー組に向けられる。

「先輩たちがねぇ、かなり気にしてたけど先生はねぇ・・」

と木田が答える。

「やっぱり仲間意識もあるし、いきなり一年3人も選抜するとなると・・・。」

カレーパンをかじりながら林田が続ける。

「くぅ~、やっぱ実力主義とはいっても難しいかぁ!」

高浜もなんとなくわかっていたようでそう言いながらさして悔しくもなさそうにいう。

そう、高浜はコンクールにむけ選抜が噂される一年生なのだ。

彼は親御さんの影響もありかなり早い時期から楽器に触れることができていたので

ドラムセットはかなり出来る人物だ。しかも別の部の先輩たちとベンドを組んでおり

まぁまぁ目立つ存在だったのだ。

「ま、でも良かったかも。コンクールの日にライブ入るかもって言われてたもんね。」

「え?じゃコンクール見にいかんの?」とトロンボーンの小橋がいう。

「うん、コンクール出れんのやったらライブ優先かなぁ。」

「先輩たちの目が怖いけどなぁ・・まぁ高浜は平気か。」と同じくトロンボーンの弓削。

実際 高浜の学校内での人気はまぁまぁのもので先輩女子たちからの人気も凄い。

同じ部活なのにこんなにも人気の差があるともはや同じ立ち位置とは思えない。

本人は気にしていないが周りの方が気をつかってしまうくらいだ。

「デビさんはどうすんの?」

うおぅ、いきなり呼びかけられて半分まで減っていたカレーパンを落としそうになる。

一週間を通じての最大の楽しみであるカレーパン、これを落とすとか考えただけでも

震えてしまう。なので先に食べてしまおう。ムグ ムグ。うん、やはり旨い。

「無視かよ・・・。」高浜が苦笑い交じりにふってくる。

いや、今はカレーパンなんだよ。ちょっと待ってくれ。ムグムグ。

「デビさん、ちょっとそういうトコあるよね。」サックスの藤井、ちょっと!そんなことナイって。

「まぁ、大好きなカレーパンだもん、しょうがナイよ。」クラリネットの重松くん。

「いや、ゴメン、パン食べるくらいでそんなに言われる?」とようやく返事を返す。

「で?どうすんの?」

「ん~、どうすかと言われてもねぇ・・、決められないとでも言えばいいのか。」


そう、実は高浜のバンドにはボクも誘われていたりするのだ。

ボクは部活ではトランペットをやっているのだがソコでキーボードを

やって欲しいと頼まれているのだ。そういうことも背景にあってか

同じパートの先輩からの扱いはあまり良くはナイ。

ボク個人的には部活は凄く楽しいのでトランペットに集中したいのだが。

「ユッキー先輩は結構本気で誘ってる感じだけど、断れんの?」

「うぅぅ、そうなんだよね、どうしよう・・」

ユッキー先輩のバンドは学校中でもかなり注目を集めている。

そのメンバーになれるというのはまぁ悪くナイ、いやむしろ嬉しいトコなのだが。

ユッキー先輩の周りがコワいんだよね。

いうと僕は完全にイケてナイ部類の生き物だ。草食獣の類なのだ。

ユッキー先輩は人気モノなのだ。更にはバスケ部でレギュラーだし。

運動部の人達ってなんかこう、別の種族だと思うんだよね。

僕なんかほんと運動神経悪いし、チビッ子だし。

一気に自分の世界に入ってしまいカレーパンを見つめて動かなくなった。


「調子のってやがんなぁ、一年のくせに。」

その声には余り良い雰囲気は感じられなかった。






見直しても 見直しても 文章はつたないまま。

でも頑張ってみます。

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