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宇宙船の中の攻防1

坂倉たちが乗ってきた船は、

宇宙船の外壁を突き破り外周通路の所で止まっていた。


「・・・なんで?」

坂倉は一番後ろから見ていた。被害が一番少ない場所にいた。それでも全身が痛い。もう一度言いたい

「なんで?」

この機体は何でもすり抜けることができるとか勢が言ってたのに・・・。


勢が立ち上がり答えを出した。

「外装に使われている特殊な素材は、微弱な電流を流さないとただの鉄板だ。最初の宇宙人どもの攻撃でそれをダメにされた可能性がある」


心の中で言ってたことはどうやらブツブツと口に出していたみたいだ。

でもちょっと待て。お前操縦席にいて一番危ない場所にいただろ。何で立っていられるんだ。俺はまだ痛くて仕方がないっていうのに。


「エアバックがうまく作動してくれました」

こいつ、エスパーかよ。今度は口に出してないのに答えを出しやがった。


そんな坂倉をミミさんが抱きかかえる。

「大丈夫か?」


坂倉はコクンと頷く。

やっぱこの人たち化け物級だ。あれだけの衝撃があったのにピンピンしてるように見える。特にあの女は・・・


ガシャン!!

髪飾りの女性は扉を蹴って開けた。この船の外を見た彼女は恍惚と笑顔になっていた。

「じゃあ私は先に行くよ」

そう言って一足先に髪飾りの女性はここから出て行った。


クソー…アイツすぐ出て行きやがって。少しは俺のこと心配しろっての


痛てえ。

痛てえな、チクショウ…・・・やっぱ俺なんかがこの人たちについて行こうとしたのは間違いだったんだ・・・

そう坂倉がネガティブ思考に陥った時、その叫びは聞こえた。


「覚悟しろ!!宇宙人ー!!!」


ビリビリと腹の底に響く。

それに呼応するかのように郷間も叫んだ

「オオオオオオォーー!!」

ミミさんと幸子は叫びこそしなかったが静かに闘志を燃やす。


熱がこっちにまで伝わってくるようだった。


坂倉はさっきまで不安と痛みでいっぱいいっぱいだった。

でも今はこの人たちの熱さに引っ張られる。自分も何かしなくては、と思いたくなる。

坂倉はここで何かをする決意をした。


ccccccccc

ccccccccc


この宇宙船内の監視カメラに敵とその船が映り込む。

それを見てルイは敵があまりにも理解出来なくてこう言った


「なんですか・・・これは?」


敵の侵入方法がヤバい。まさか船ごと突っ込んでくるなんて。自殺するようなものだ。幸いなことに空気漏れが起こらないほどきれいに突き刺さっているが、もし・・・

あの船が抜け落ちたら、

ひび割れがどんどん進んでいき崩壊していったら、

敵も味方もすべて道連れにする狂気の行動にルイは頭を抱えたくなった。


・・・それでも部下に指示を出さないといけない。私は責任者だから・・・

ルイは転移石で仲間の位置を確認してから言った。


「一番の外周通路、一時から三時までの隔壁をすべて閉じてください」

ルイの指示を受け隔壁が下ろされていく。


これであの船が抜け落ちても宇宙船全体の空気漏れを阻止することができる。さらに敵もその場に閉じ込めることができる・・・と考えていたが甘かった。


敵はその隔壁を壊して進んだのだ。


なんてことをするんですか。この女の人は・・・頭が痛くなる。

・・・敵からしたら当然の選択ではありますが、彼女はあまりにも迷いなく刀を振るった。確か攫った人の姉・・・あまり仲間を近寄らせたくありませんんね。


そう考えたルイは転移石を通して全員に指示を送った。


本艦に敵が侵入しました。場所は一番の外周通路の二時。そこから敵は一時の方向に進んでいます。中尉、少尉は速やかに避難してください。大尉は・・・


真さんの姿が映りルイは少し言葉が詰まるが、今大事な事を考え最後まで言う


向かう大尉は、ユミ大尉とエンカ大尉お願いします。敵は依然に話した地球人です。気を付けてください。


無論この声は真にも届いていた。


ccccccccc

ccccccccc


ユミ大尉とエンカ大尉は水の塊に乗って移動している。

それに並走する人物が一人、真である。


「あなたは行かせないで、ってさっきからルイちゃんに止められてるんだけど」

「俺の所にはそんな声は届いていません」

「いやそれは・・・察してあげなさいよ。敵はあなたと同じ地球人よ。正直ここまで侵入してきた以上、生き死にの戦いになるわ」

「だからこそ何もしないわけにはいかないんです」

「でもルイちゃんがさっきから私の頭の中でガンガン・・」

「いいじゃねえか。真は強い。それに俺の実力が出せない宇宙船の中なんだ。もう一人いたほうがいいだろ」

「ピルクからはもう少し頑張りましょうのハンコを押されたばかりですけどね」

「でも、耐久力値は群を抜いていた。問題ねえよ」

「ハア、・・・エンカは本当に残念大尉ね」


侵入者と会敵する数分前の会話だった



一方その頃、こちらも移動している一行があった

この場にいるのはミミさんと坂倉、他には郷間と幸子である。ミミさんは坂倉を抱えて走っていた。


坂倉はミミさんに尋ねる。

「あの女はどこに行った?」

「見失ったな。途中いきなり現れた女の子を見てスピードを上げた。アイツの全力には誰も追いつけねえ」


確かに速かった。でもあの女の子の現れ方、・・・どこか誘い込むような感じがした。


「あの女を一人にしても大丈夫なのか?」


坂倉の問いに幸子と郷間が言葉を返す。


「だいじょーぶ。だってあの人はー・・・」

「300年の歴史において最高傑作だ。誰にも負けん。宇宙人を必ず殺す」


髪飾りの女性を知っているものは微塵も心配している気配がない。それだけ信頼できる力を持っているということだろう。


坂倉がそう思っていると逆にミミさんにこう言われる。

「心配なのは船においてきたアイツのほうじゃねえか?あと一人くらいなら抱えられたんだがね」


アイツ・・・勢のことだ。

「アイツの事はほっときましょう。自分からここに残るって言ったんですから。それよりも勢が言っていた小型艇をどうにかして見つけないと・・・」


坂倉たちが乗っていた船は突き刺さって動けそうにない。地球に帰るためにはこの宇宙船のどこかにある小型艇を見つけて脱出しなければならない。


敵の真っ只中で、あるかどうかも分からない物を探す。

不安要素ばかりのこの状況。


しかし坂倉はこの人たちなら何とかしてくれるんじゃないかと、勝手な期待をしていた。そして機会があるのなら自分も何か役に立ちたいと・・・


そんなことを思っていた坂倉は同じ孤児院で育った真と出会うことになった。


cccccccc

cccccccc


さらに、こちらでもお互い敵と向き合う。


「鬼ごっごはもう終わりなの?」

髪飾りの女性が挑発するように言う。


それにルイは答えた。

「はい。貴方はここで捕らえます」


「捕らえるとか甘いこと言うね。私は遠慮なしに貴方たちを殺すわ」

「殺させませんよ。もう誰一人・・・」


ルイは覚悟を決めるかのように言った。

「私の名前はルイ・シェインミード。この船の総司令です。貴方をここで止めます」


宇宙船の中の攻防が始まろうとしていた。



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