たま子、いきなりA級クエ!?
ガーゴイル
Aランククエスト
羽の生えた悪魔。詳細不明。
都セルトスのとある貴族屋敷にある銅像が突如動き出して当主を襲ったらしい。その調査に協力してほしい。
賞金200,000ルン
☆☆☆
「ちょっとまって!少年くん?Aランククエストはランクが50以上ないと受託できないんだよ!?
ここでの常識!!私のような新米冒険者(Fランク)に受託できる資格がないの!」
「うるさい…」
「え?」
「ここに連れて行け」
「ハナシツウジナイ」
「冒険者さん!ギルトとしてそのクエストは承諾致しかねま「「なら、俺たちがそのクエストに助太刀しようじゃないか!」」
困惑する受付嬢の声を遮って大きい弓を背負う男が現れる。
突然乗り込んできたのは、最近巷で名を挙げているらしい4人組の[パリス・グラト]という冒険者パーティだ。
この国の言葉で天矢の一撃という意味らしい。
「悪しき悪魔の残党、ガーゴイルよ!我らが天使様に変わり裁きを与えてやる!」
リーダーの男、パリスとやらは胸に下げた天使のネックレスを天に掲げていた。
「パリスは熱狂的な天使教信者なの、でも力は本物。彼の弓は天使様より授かった伝説の天弓グラトハムだよ」
「あなたは?」
ぴょこっと現れた猫耳少女が名乗る。
「あたしはベル。猫猫族とのハーフ獣人さ。
そんで、静かな彼がロー。ジョブは魔法兼ヒーラーね。全体的に白い彼女は名無し、鎌使いよ」
「どうも」
ずっしりとした体型なのに物静かなローは、まるで生きる大木みたいだ。
「お、おねがいしまs」
頭から爪先まで白くて消えてしまいそうな少女。背中に抱える鎌は黒く禍々しいオーラを放っている。
なんか奇妙なパーティ…(人のこと言えないけど)
「私は新米冒険者のちく…いえ、たま子よ。それでこの子は…… トムよ。弟なの!」
(そういえばまだ名前教えてもらってなかったなー)
「ダセっ…」
小さな声で気に入らなそうに呟く少年。
少年はギルドに行く前に買ったボロマントのフードを深く被って俯く。人目を集める深緑色の髪を目立たないようにするためだ。
きっと、この子恥ずかしがりやな一面があるのね。
かわいいじゃない!たま子は勘違いする。
「へえ!あんまり似てないな。
しかし、そんなヒョロイ身体してAランククエストに挑もうなんて度胸は気に入ったぜ!俺たちの平均ランクは54。
問題はないだろう?」
白い歯をニヤッと見せつけるパリスの首元をチラリと見かけて少年は顔をしかめる。何かが気に入らない。
「出発は明日の明朝だ!ビビって逃げんなよ、坊主」
2年とちょっとぶりに帰ってきました。
思うように文章が書けません。