たま子、1回目の蘇生
【てってれーん!】
5000ルンを引き換えに生き返った。
てか…私の命の値やすくね!(お財布的には安くない)
目の前には元ご主人サマの性玩具美少年が憎悪を露わにした顔で、その手に私の血がべっとりついたナイフを握っている。自分の服(心臓の位置)からベットのシーツにまでびっしり血が染みていた。
ああ、なるほど。
こんなに多量出血したら死ぬの当然だぞ。
私が生き返ったことに気づいて少年はびっくりして反射的に後ずさる。
あぁ。せめて時間経過してて欲しかったな。
死んだ直後に即生きかえりゃ、驚いて当然だよねぇ。
「そんなに元気あるんなら良かった。あんたは自由だよ。好きなところに行くといいよ」
また殺されたらかなわない。
なるべく逆撫でないように優しく言葉をかけてあげた。
美少年はナイフを捨てて部屋を飛び出して行った。
私ってなんて無欲でいい奴なんだろう〜。
惚れちゃう〜。
自分を褒めたところでなんも得もないけど。残り4500ルンになったがまポーチを見て、働かなければいけないなぁとため息がでた。
一晩経って、近くの町の転職屋でメイドから女剣士にジョブを戻した。
そこらへんで雑魚そうなモンスターでも倒してランク上げとくか。
一度も勇者らしいことしてないしね!笑
このジョブになったなら、まず寄るのは酒場。
手頃そうなクエストを受けようと受付のお姉さんに話しかける。
「あの、冒険者さん。その傷大丈夫ですか?」
受付のお姉さんは美少年に刺された箇所を見て、心配してくれた。傷は癒えてるけど切り裂かれた服と変色してこびりついた血が不気味かな?
さっきから視線を感じていたのは、おっさん達が奇妙な目で見てたからだったのか。胸らへんがスースーするな程度しか考えてなかったわ。
お気に入りのメイド服装備だったのになぁ……。
とりあえず、ルン稼いだら服を買おう。
「大丈夫ですので。私のランクでも出来そうなクエストありますか?」
「メ、メポロン5体討伐で100ルン報酬のクエストなどどうでしょう?」
メポロンとはドラ●エで例えたらスラ●ム的な初歩低級雑魚モンスターらしい。
メイドバイトの方が日給良かったぞ……うう。
「……はい。それでお願いします」
クエスト契約書にサインしていた時だった。
「おいおい。それ本当か?」
「ああ。魔奴隷商人が血眼で探しているそうだ。その魔族の少年を差し出せば1,000,000ルン報酬出すらしいぜ」
ふむふむ。1,000,000ルンね……。興味深い。
「深緑色の髪の少年だ。可愛らしい顔をしているらしい。あー俺も性魔奴隷にしてえわ」
えぇ……と、
この世界のおっさんはショタ好きなホモばっか?