たま子、いきなり死す
前回のあらすじ、お屋敷バイトをクビになった。
三食、お部屋付き、優しくて綺麗な先輩たち。
(リィラさんごめん)
短い間だったけど良い職場でした。
無理言って日給にしてもらったので、10000ルンほど手持ちがあってよかったーー!
回想は置いといて、
今日は宿に泊まろう。
お屋敷から少年を担ぎ、一日中歩き続けてクタクタである。おまけに緑色の少年は私の背中でずっと寝たまんまだ。
「一泊500ルンね。階段上がって左に曲がって1番奥の部屋さ」
「やすい…」
激安の今にも朽ち果てそうなボロ宿。
あんまりお金は消費したくないので我慢。我慢なのである。だが、メイド服で少年を抱えた私に干渉しないことはありがたい。ここは訳ありの人がよく使うのであろう。
階段は一段上がるごとにキィキィと今にも抜けそうな音がした。なんとか部屋に入り、簡素なベットに少年を寝かせた。うわぁ、ホコリがやばい。
はぁ…お風呂入りたい…お腹すいた…
でもめんどくさい。
少年を起こさないように、ベットの端で横になった。
疲れとけだるさで私は何もする気になれず、少し昼寝してから動こうとおもった。
のだが。
目がさめると、
一面黒い世界にゲームオーバーの文字が浮かび、
あのナレーションの声がした。
『其方、勇者の使命を放っぽり出して、何してんの?とりあえず其方は死んだけど。どうする?』
え?死んだの……?
あと、ナレーション。
怒りでキャラぶれてません?
【選択肢:生き返る|初めからやり直す|諦める】
んじゃ…諦める。
チートでもない私がお金稼ぐのにどんたけ苦労したことか。生きるの辛い。
【選択できません】
なんでだよ!なら、選択肢に入れんな。
じゃあ仕方がない。生き返るよ。
【復活の対価は5000ルンかかりますがよろしいでしょうか?】
ええ。ほとんど財産失うじゃんーー!