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さいしょのまち

まばゆい白い光に包まれて、

目を開けた先はゲームの中でしか見たことのない世界だった。


ここが最初の町か!夢なのにリアルだなぁ!

白いレンガを基調とした建物が並び、

中央広場に崇められた天使の彫刻と噴水は綺麗で、人はみな笑ってて活気がある。

とても絶望と憎しみで溢れて破滅に向かってる世界には見えない。

まるで平和な世界だ。


だがしかし、すれ違う人たちの視線が突き刺さって痛い!


ここで私の現在状況を説明しよう。


三木たま子 28歳 独身

ファンタジーゲーム、乙女ゲーム、

漫画アニメ大好きな普通の女。

そして 飛ばされる前まで布団で寝てました。

なので、ボサボサな黒髪に上下柄の違うダボダボスエット。よだれが垂れた後ありのスッピン。

町の真ん中でだらしない女がキョロキョロしてたら、うん……みんな見るよね!


建物の裏道に逃げ込み、物陰に隠れる。

この際、持ち物も確認しておこう、さっきのナレーションさんが言ってたささやかなプレゼントってなんだろう?

ポケットには見慣れない紙幣3枚と黒のポーション?とナレーションさんが筆で急ぎ書きしたと思われるメモ紙が入っていた。

達筆というにはほど遠いきったねぇ字。


『勇者へ

この世界のお金と体力を回復するポーションを渡しておく。まずは都セルトスでガーゴを探すのだ』


都セルトス。。。?どこ?

ガーゴ。。。?だれ?

とりあえず第一目標は都セルトス。

こういう西洋風な世界なら、交通手段は馬車だ!


「ここから都へは1ヶ月かかる。3000ルンじゃ釣り合わん!他を当たれ」

「そこをなんとか〜!」


ケチそうな面の御者はわたしを置き去りにして去っていく。



この世界の通貨はルンといい、相場は現実世界の日本円と変わらないらしい。3000円ってナレーションさん微妙な金額を……。

それより目的地遠いよ。どうしよ。


「とほほ」

やけくそになり、人の目を気にせず町を徘徊していたその時、


「あら、そこのあなた。お困りで?」


風になびく金髪を耳にかけて、まるで水晶のように碧く透き通った瞳が心配そうに私を見つめる。

ビューティフルファンタジー!

俯いて歩く私にご慈悲をくださったのは一人の可愛らしいメイドさんだった。


「困ってます。怪しいものじゃないのです。訳あってこの町に来たばかりで、住むところもお金も服もなくて……ううう」


「とてもお困りなのですね。

もしかしたら、あなたのお力になれるかもしれません」

「本当ですか!」


「ええ!ちょうどうちの屋敷でメイドが一人辞めてしまって募集してましたの。住み込みで三食付き、お給料も悪くないと思います。どうですか?」


め、女神様ぁぁ!


「その話喜んで受けさせてもらいます!!!!!」


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