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爆砕と平和賞  作者: じむ
プロローグ
7/12

5:少年の視界で

――「バグ持ち」。

何とも奇妙な呼び名に黙りこむバクスとバラドラルを見て、少女は首を傾げる他なかった。

……と同時に、ほっとした部分もある。

自分の無実が証明されたかどうかは知らないが、あたらしく部屋に入ってきた男曰くひとまずは逮捕されるという事態は避けられたらしい。


「根拠は?こいつがバグ持ちかどうか聴き出す以前に、こいつ記憶喪失だぜ」


少女に指をさして問う。

記憶喪失の少女から、バグ持ちだという根拠が得られるとは思えない。

現状この少女自体の情報もないため、ひどく当然の疑問と言える。

それに対して、リーは頬をかいて弁明じみた説明を始めた。


「まぁ、お前らが今尋問してるところだし、当然おれ達はその子からはなんの情報もないさ……記憶喪失ってのも今知ったしな。ただ、彼女が入ってきた周りの状況から推測したときに、可能性が有力視され始めたんだ」


「状況だあ?」


「そ、状況な……大門を調べたとき、もちろん今まで開こうとさえしてなかった物だ、なんの機構も動いちゃいなかった。うん百年ぶりに動いたせいで、劣化しきってた内部構造がいくつか破損するほどだったよ。……で、だ。当然、それを動かす動力も0のままだな?」


「まぁそりゃそんなの猿でも……あ」


リーの説明を聞いて、バクスは何かに気がついたかのように声を上げ、次に思い切り顔をしかめた。

……どうやら、バクスはリーの言わんとすることが分かったらしい。

そしてそれは、やはり彼の都合には悪いものらしい。

知らない言葉が出てきたことで振り出しに戻るようにまったく事情が飲み込めなくなってしまった少女は、

それが喜ばしいことなのか否かも判断できずに、ひたすらに疑問を浮かばせながら首を傾げることしか出来ないわけなのだが。

そんな少女を置き去りにして、リーは顔をしかめるバクスと、どこか納得したような表情のバラドラルを見て、続けた。


「そう。動力が0だったにもかかわらず、大門は開いた。しかもその少女が入ってこようとしたタイミングでだ」


「……なるほどな。"バグ持ち"の可能性は十分にある」


バラドラルが頷く。

その一言に、バクスはいよいよ頭を抱えそうな表情でもう一度訊ねる。


「……で、お上から現状維持と」


「ああ、可能性が否定しきれない以上は、そういうことらしい」


そしてその一言で、完全に頭を抱えた。


「っかああ、マジかよ……よりによってバグ持ち……しかも自覚なしって爆めんどくせえことになりそうじゃねえの……はぁまじ……」


ブツブツと1人うめき始める始末である。

そんなバクスを見ながら、バクスたちへの説明が終わったと察した少女は、新たに沸き出た疑問を解消するべく、あたらしく部屋に入ってきたリーに声をかけた。


「あの」


「ん、なんだい?」


他の2人よりもはるかに温和そうなリーが想像通りの柔らかい声で返してきたことに、少しほっとする。

バクスは論外として、バラドラルはあまり口を開かないため実際はどうなのかわからないが、その外見や声色から「鬼」や「熊」というような印象は抱けても、「優しいおじさん」などという印象は間違っても抱けなかった。

……顔に傷とかあるし。

第一印象だけで判断してしまうのも申し訳ない気もするが、ともかくそういった理由で一番無難であると選んだリーに、先ほどの会話について訊ねる。


「その……"バグ持ち"、って?」


「ん、ああそっか、記憶喪失ね……バクス達の物言いからうすうすわかってたけど、そういう知識もなくなっちゃってるか……」


少女の質問に、困ったように頭を掻き始める。

そして思案をしながら、手探りで進むように言葉を選んで口を開く。


「そうだな、バグ持ちっていうのは……」


ーーしかしその先の言葉は、少女の耳には届かなかった。

声とは別の、異質な音が、尋問室を支配する。

それは硬質な金属がはじける音……警報だった。

しかし、先ほどの物とは、少し違うような雰囲気を少女は感じた。

……質問を邪魔されたその音に最初に動いたのは、困惑を示す少女以外の面々だった。


「……ま、都市がざわついて不安定になったら、来ると思ってたよ、"こっち"もな」


「仕方ないか。状況が状況だ」


「……我々も出る」


バクスが起き上がり、リーが諦めの溜息を吐き、バラドラルが瞑目を解く。

少女は、そんな3人をみ私手困惑を助長させる。


「あの、どこに?」


そんな問いかけに答える者はなく。

代わりに、リーが口を開いた。


「ああ、そうだ。このお嬢さんも連れて行くか」


「あ?なんでだよ鍵かけときゃ逃げねえだろ」


「いや、良い説明になると思ってね」


「……ああ、そういう。勝手にしろや」


どういうことなのかよくわからないやり取り。

しかし、考えるよりも前に、手を差しのべられた。


「さあ、行こうか」


どこに、と重ねて質問しようとも思ったが、とりあえずその手を掴むことにした。

扉が開かれる。


――――――――――――――――――――――――――――――――――


状況は切迫している。

見張り兵の少年は、即席のバリケードの前に陣を組んで、自分の前列に並ぶ先輩の警備兵をみながら、人ごとのようにそう判断した。

本日2度目の背筋を伸ばした姿を見せる相棒をちらりと見やる。

彼も彼で、今の状況を厳しい表情と嫌な汗で理解しているようである。

そう見やっている暇も、いまはなかった。

下級階層で4本あるうち、大門とターミナルを結ぶメインストリート。

掠れた悲鳴が上がった。


「カーストレスだ!!」


「知ってるよ」


言い返しそうな自分をかみ砕いてこらえる。

毒づいている暇は、与えてくれそうもなかった。

というのも。

剣戟が、たった十数メートル先で聞こえていた。


「うぐう!!」


剣戟を繰り広げていたその兵士が、倒れる。

そして目の前に、それは現れた。

統一感のない軽装や武器の数々。

鋭い瞳。濃厚な殺意。

そしてその肩に描かれている、崩れた城のような刺青。


――カーストレス。

この都市の改革を求める非都市勢力(テロリスト)


それを見て、少年は圧倒された。

数だ。

冗談だろうと言いたくなるほどの数が、目の前に広がっていた。

チラリと、周りを見やる。

急いで集まった周囲にいる兵士の数は、たったの十程度。

対するカーストレス側は、五十はゆうに超えていた。

……たとえ一通りの訓練を受けた兵士とごろつきの集団であっても、戦力差は素人目にさえ歴然としていた。

……拙い。

この場にいる兵士がそう思っていることは、想像に難くない。


というのも、少年ら兵士がいるその場所は、詰所である。

詰所の先には何があるか。

独房だ。

もし。自分達がこの数に押し潰された場合、彼らはここで犯罪者を解放し、五十の勢力を何倍にも拡大することができる。


前例ならば、数でも負けず劣らずであった。

しかし今回は、相手方がその倍の数で攻めてきて、対して此方はタイミングが悪いと言うべきか、否、むしろこのタイミングを狙っていたのだろうが、先程の大門の騒動の後処理に人員を割かねばならない状況にあった。

パトロール、大門の警備、調査、大門から出たものがいないか、戸籍がある者の確認。各々の理由で、詰所を離れた場所に派遣されている。

非常事態の今、当然いくらかは加勢に寄越されている所だろうが、残念ながら大門でさえほぼ直線であっても距離が距離。

時間がかかる。

時間稼ぎを死ぬまでしたとして、間に合うかどうか。


ーーしかし、それでも。

少年らは、必死に自らを奮い立たせて、体格的に不恰好にも見えるバランスの長い槍を構えた。

……それでも。自分達は門番だ、と。

腹立たしい事に、相手方はこちらを今、認識したようだが。


「止まれ!」


認識を外されないうちに叫ぶ。

詰所の入り口から少しでも注意をそらすためだ。

狙い通りと言うべきか。視線が少年、ひいては兵士全員に集まる。

隣にいた相棒が、小声で呟いた。


「……正気ですかお前」


「うるさい、しゃきっとしろ」


短く吐き捨てて、少年はそれ以降カーストレス以外を意識から外した。

カーストレスの男が、バカにするように笑った。


「は、勝てるとおもってんぜこいつ」


「……かもね。あんた馬鹿そうだし」


「……あ?」


ピキリと、その表情に険を走らせた。

乗った。

確信し、少年はさらに口を開く。

しかし、先頭にいた男が、その空気を剣を一閃することで両断した。


「無駄話をしている暇はない。お前らは他の兵士をやれ」


その言葉に内心、舌打ちをしたくなる。

挑発を重ねることは危険だが、意識はこちらに向く上、何より時間を稼ぐいい手段だった。今向かってきているであろう応援が来てくれれば、状況は一気に好転する。

……代わりに、相棒がどんどん青ざめていくのだが。

しかし、目の前の男のように少しでも頭の切れるものには看破され、自分達への意識は強制的に霧散させられてしまう。

苦肉の策も容易く破れた。

諦めて、構えを一層低く力を溜める。

ーー選択肢は、もはや無い。


「……今逃げるなら追わない」


「……さて、どうしようかーー」


短いやり取り。その一言さえ引き伸ばそうと、実は内心、本気半分に言い放ち。

金属音。

槍と剣が交錯した。


「ーーなっ!」


もはや遅い逡巡を切って捨てて、力に抗うことはせずに後ろに転身した。

少年は小柄である。槍という長物を持っていても通常ならば力で押しきられてしまう。

だから力で競う事はしない。小柄な彼がすべきは、頭を回転させ、逃げ切り、突く事だ。


「まだ迷ってたのに」


「眼が答えていた」


短い問答。拡げてくれる気はなさそうだった。

切っ先が走る。

少年はただひたすらに逃げる事に専念した。

同時に、頭の中の冷静な部分が状況を分析する。

周りではもう戦闘が始まっていた。

相棒も、なんとか逃げ回っては一撃を凌いでやり過ごしている。

それを見て、そう簡単に死ぬ玉ではないかと、ほんの少しの心配をも意識の隅へ追いやった。

さて、今は目の前の男だ。

先程の指示、仲間への影響力、そして何かしらの考えを持っていそうな(じぶん)を優先して、真っ先に切りかかってくる行動力。

この男は、ある程度の行動の自由と、仲間の指揮が赦されている。いわゆる切り込み隊長のような立ち位置なのだろう。


都合がいい、と思った。

先程の初撃。洗練されてはいるが、やはり教養のない野性の剣筋だ。対して、少年は一応、訓練を受けている。勝てるかどうかの状況判断、その結果に合った動き、そして戦い方に至るまで、すべて頭と体に叩き込まれている。

場数の差はあまりに大きいため、絶対に勝てるとまではいかない。しかし、時間を稼ぐには多少自信が持っていいレベルにまでは発展していた。

目的が定まる。

少年にがするべきことは、目の前の男から少しでも時間と体力を奪うことだ。


荒く鋭い横凪ぎの一閃に、僅かに刃を合わせて弾く。

男の眉が僅かに跳ね上がった。

それは暗に、少年の歳に似合わない技術の高さを物語る。

しかし狼狽えることはしない。即座に次の一閃を放った。

∞の字を描くように切っ先を翻し、斜め下段からの跳ねあげ。

やはり少年は落ち着いて、刃の走行に沿わせて槍を傾けた。

先程よりも軽い金属音が空気を叩く。

その音と、全くぶれない姿勢で、やはり先程の初撃を乗りきったのはまぐれではないと悟った。

先程打ち倒した衛兵より腕力はない。しかし、場馴れなどないであろう年齢に見合わない冷静な判断と技術は、並みの衛兵のそれではないと確信できる。


ーーと。

瞬間。

気配が、危険な鋭さを孕んだ気がした。

己の攻撃の失敗に何かしらの反応を表すその前に、男は反射的に頭を逸らせた。

耳に届いたのは風切り音。

刃ではなかった。

少年は、弾く勢いのままに石突を跳ね上げたのだ。

カウンター。

予期せぬ反撃に、距離をとろうと足を浮かせてしまい。

男は、その半端な回避に直ぐに失態を悟った。

無茶な姿勢で剣を振るう。

ーーその切っ先で追撃の相手の槍を弾いたのは、ほぼ奇跡と言えたことだろう。

跳び下がるように距離をとる。


「……」


確信から、わずかな驚愕へのシフト。少年を見て沸き起こるそれに、一層構えを鋭く引き締める。

時間を稼ぐために口を開いた先程のやり取りから、あまり腕に自信はないのだろうと侮っていた。

違う。侮る相手ではない。

目の前にいるのは、力任せに獲れる子供ではない。

その焦燥にも似た叱咤を口に出すことはなく、男は警戒心を一気に最高潮に引き上げた。

ーー代わりに、言葉を発した。


「たいした観察眼と判断力、そして器用さだ……スラム育ちか?」


「……似たようなものかな」


純粋な疑問の念を感じたのか、間をおいて少年は答える。

同時に、その表情は訝しそうに歪められていた。

先程の問答での時間稼ぎは看破し切り捨てた癖、今は自分から応じるように口を開く。

相手に何かしらの狙いがあることは考えるまでもない。

注意深く男を観察する。しかし、特に仕込んでいるものや変わった所は見受けられなかった。

相変わらず構えは型もないが隙もなく、剣は右手に持ったまま下段に構えている。

左手は体の勢いを溜めるように肘を屈曲し引きよせている。

ーー見てわかる部分は無かったが、ともあれ。時間稼ぎというのであればこちらも望むところであった。


「最低限名誉があるだけましだけど。ほぼあんたらと同類だよ」


「……そのようだ」


男は少年の言葉に、確信したように瞑目する。

そして、次に彼を睨め付けるように見据えて口を開いた。

そこには、疑問と、叱責のような怒りが浮かんでいた。


「ーー同類の君は、この都市をどう思う?」


「……」


問に、今度は先程よりも、ずっと長い間を要した。

沈黙。

なぜ沈黙なのか、男はすぐに理解した。


「……ここ以外を知らないから、なにも言えない。そういったところだろう」


少年は、沈黙を固くすることで返した。

図星だった。

今の環境は、少年にとって人生すべてにおいての舞台だ。

その他の環境など、自分よりもいくらかマシな生活をしている商人の子供くらいしか知らない。

知る由もない。

沈黙に声が重なる。


「お前は、そんな状況に、環境に、疑問は持たないのか?」


「……でもそれは。そう生きるしか」


「本当に、そう生きるしかないのか?」


畳み掛けるような問い。

それに二の句が告げなくなった。

チラリと、男の視線が動く。

攻撃の絶好のチャンスだが、そうする気にはならなかった。

視線を追ってしまう。

その先に写っているのは、今日、誰もがはじめて動くところを見たモノーー大門。


「俺は、俺たちは、そうではないと確信した。今日、あれを見てな」


人がいくつか通れる程度に開いた大門。

その視線は、その先へと続いていた。

皆まで言わずとも、理解できた。

この男たちは、捕まった名誉無

なかま

を解放してどうするのか。

どこへ行くつもりなのか。


「それを探しに行くためにも、我々は仲間を解放しなければならない」


「……そんなの、希望的観測だ」


吐き捨てるように言葉がでた。

事実。大門から外にでたところで何があるかなど皆目検討もついていない。

他の都市や街など、とうにない可能性だってある。

男がいっていることは、都合のいいように解釈した可能性でしかないのは、疑いようのない事実。


……そう言い聞かせていた先が自分であることに気がついて、ハッとした。

ーーそう言っている自分も、知らず知らずに、期待を抱いているのか?

外に。

この都市から、遠く離れた世界に。


「本当にそう思うか?」


そういっている男の声は、自分が揺れ動いているのを確信しているように思えた。

弾かれたように男を見る。

そして自分を叱咤して、槍を構えた。

惑わされるな。

時間稼ぎではない。相手の狙いはこちらの動揺を誘うことだ。

己の動揺を隠すように槍を突きだし構え直す。


「最後に聞こう。私たちはただ仲間を解放してこの都市を去るだけだ。そちらとしても都合が良いだろう。今逃げるならば追わない」


少年に手を広げて、ニヤリと笑った男は言う。

しかし。


「そうしたいのは山々だけど、どうせ出ていくための食べ物とか装備とか、強奪するでしょ。それに……」


逃がさないだけの理由もまたあった。


「……"名誉階層都市(ここ)"で生きる人間"は、貢献の名誉がほしいんでね」


「……残念だ。ならば……」


ーーしかしそうするには、些か遅かったらしい。

聞こえたのは悲鳴だ。

そして、男の後ろで数の暴力が目を覚ましたように変動した。


兵士が一人倒れ、そこからなだれるように十名あまりのテロリストが突撃してきたのだ。

そこではじめて、少年は状況と男の狙いを再認識した。

こちら側の被害は、今しがた倒れた兵士を除けば甚大と言うほどでもない。体力的な面からしても、素人三人程度を相手取っていてもまだ余裕はあるように見える。

しかし、倒れた兵士をみれば、その鎧や体へのダメージが比べ物にならないほどに深く多かった。

残りの十名程である彼らは、戦闘に参加していなかったのではなく、その兵士へ攻撃を集中させ突破するために陣を組んでいたのだろう。

男の狙いは、その間また小癪な意識の誘導をされないように自分との会話に意識を向かせることだったのだ。

十名。

たったひとつの出入り口を守る一人の少年を排除するには、些かオーバーなほどの人数であった。


「ーー時間もなさそうだ。こちらも容赦はしないでおこう。

……君に、名誉があらんことを」


男が完全に慈悲を消した。

テロリストたちが、雄叫びをもって少年に殺到を始める。

他の兵士たちは目の前の敵に対処していて助けにはこれない。

相手ともみくちゃになった相棒がなにかを叫んでいるのが見える。

応援は、間に合わなかったらしい。

その中で少年は、自分が詰みであることを知った。


(ああ、くそ)


あのとき、男の話に応じずにやりあっていれば、もう少しは時間を稼げたかもしれない。

まぁ、応じてしまった時点でこの兵士の消耗を見るに、自分の応援を待つなどと言う不確かな目論みは成功しても焼け石に水となるに違いなかった。


(悔しいな)


諦めの中で最期に浮かばせたのは、存外そんなものだった。


最後の覚悟を決めて、せめて一人でも道ずれにすべく槍を構え、


「はいどーーーーん」


ーー緊張感のない声とともに、目の前の数人が消えた。

……驚きに、構えが解けた。

理解の許容を越えた時の、呆然とした目で見えたその背は。

爆炎と紫煙を纏っていた。

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