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貴族令嬢、エターナルフォースブリザードで凍結する


 オーガニック信仰とAI批判は、何か近しいモノを感じます (ビスケ)


 自然由来・オーガニック・無添加……


 エビデンスはございませんが、体に良い気がしますわ。


 フグ毒 (テトロドトキシン) も

 トリカブト (アコニチン) も

 殺虫剤 (ピレスロイド) も

 麻薬 (THC・フェタミン・オピオイド) も


 だいたいは自然由来、あるいは似た化学構造で作られてましてよ。


 きっと体に優しいに違いないわ……


 ……なんて意地悪なこと口にして、ごめんあそばせ。



 オーガニックを、自然由来を信仰するのは、深層心理に基づく価値観ですわ。だって人類、いや生物は誕生以来40億年、ずっと自然の中で生きてきたんですもの。


 小賢しいホモサピエンスが農耕を発明し、食物や環境を作り変えだしたのは僅か1万年前。いまだ狩猟に頼る人類も現存しているというのに、古来の価値観を捨てるわけがございませんわ。



 生きとし生けるもの全てが

 心の奥で、母なるオーガニックを、自然由来を愛しているわ。

 当然でしょ?



 そもそも間違った思想、というわけではございませんし。

 もちろん正しい結論、ではございませんが。


 では、なぜ論争は紛糾するのか。

 理由は二つ、新たな価値観への拒否感と、騙そうとする存在への嫌悪感ですわ。


(例:技術を悪用して騙す、深層心理を利用して騙す、etc)


 感情論ですもの、論理的決着はありませんわ。

 最後にラーメンハゲの名言で締めくくりましてよ、ホーホホホ!



「ラーメンとは、フェイクから真実を生み出そうとする情熱そのものです」

(らーめん才遊記 11巻 168ページ)



◇◇◇




「うっひょおおおおおお、寒いですわあああああ!」



 ギョウ・スーのダンジョンは魔法で氷結の結界が張られており、アイテムの多くは氷漬けにされている。地域によって大型ダンジョン・小型ダンジョンがあり、特色が異なる。




────────────────────


【ギョウ・スー 大型ダンジョン】


 冷凍食材が主力だが、その他日用品や調味料、お惣菜や鮮魚、精肉、野菜も豊富。特に揚げ物やお弁当は力が入っており、筆者の友人は絶賛していた。


 留意して頂きたいのは主力が冷凍「食材」であって「食品」ではないこと。むき枝豆やミックスベジタブル、ホウレン草やブロッコリーが、だいたい500g200円以下で売られているのは破格と言えよう。


 とはいえ冷凍肉はおススメしない。それなら精肉を買って冷凍したほうがいいし、どうせなら冷凍唐揚げや冷凍コロッケ、冷凍生フランクの方が便利。冷凍合鴨ロースは絶品、特に合鴨パストラミは筆者鬼リピート。


 だが、注意して頂きたい。ギョウ・スーは冒険者を陥れるトラップ (罠) も多数存在する。好みや用途は人それぞれなので具体的な商品名は出さないが、明らかに使えない、美味しくないアイテムも存在する。これはもう何度もダンジョンを探索して経験を積んでいくしかない。


 ギョウ・スーの魅力は冷凍食材だけではない。はまると沼のマニアックな調味料、これを楽しまずして何が冒険者か。


 姜葱醤 (ジャンツォンジャン) を豆腐や蒸し鶏、ドレッシングに使うと気分は本格中華。你好、谢谢、奴八破、一向聴。水をかぶると性別も変わりそうだ。地味にミル付きホールブラックペッパーも安くて便利。



【ギョウ・スー 小型ダンジョン】


 大型ダンジョンと比べ売り場面積が小さく、お惣菜や鮮魚が取り扱ってなかったりする。とはいえ主力の冷凍食材とマニアックな調味料は健在、大型ダンジョンからの取り寄せも気軽に応じてくれる。


 個人的には魚をさばく腕を持ち合わせていないので、鮮魚より冷凍切り身が便利で助かる。ゆえに日常の冒険は小型ダンジョンで十分おぎなえる。



[値段] ラァ・ムーンに迫る激安、地域最安値まではいかない

[品質] ラァ・ムーンよりは良いが値段相応

[品数] 謎のマニアックなアイテムは多いが品切れも多い

[美観] 住宅地や郊外のダンジョンは清潔で簡素だが、一部のダンジョンは猥雑でアジア感が強く、客層も含め異国情緒すら漂う。だが、筆者はこの雰囲気、嫌いではない。


(注:作中では氷結ダンジョンとなっているが、実際のダンジョンは寒くない)


────────────────────



「ぬおおおお、凍えそうですわああああ!」



 貴族令嬢・黒い安息日はギョウ・スーのダンジョンを進む。暑さより寒さが堪えるようになったのは何時からだろう。年のせいか、いや、私は若い、まだ若い。これは運動不足で血流が悪くなったからだ。そう自分に言い聞かせる彼女だったが、先は長い。


 新たな冒険は始まったばかりである。



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