表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/97

第83話:雷竜陣、空を裂く一閃



―雷と竜、絆の共鳴、そして選択―


蒼穹の戦場。

ザルグは魔竜《ヴァル=ネグロス》と融合した右腕でフィンを掴み、黒炎を纏って空を舞っていた。


セレナはルゥの背に乗り、雷の剣を構えながら追撃する。

空は裂け、雷と黒炎が交差する。


「フィンを返して!」

セレナの叫びが空に響く。


ザルグは冷笑を浮かべる。

「返す? ならば力で奪ってみせろ、竜の巫女よ!」


黒炎が咆哮とともに放たれ、空を飲み込む。

ルゥが炎の息吹で迎撃し、セレナが雷閃で切り裂く。


だが、ザルグの魔導鎧は再生を繰り返し、魔竜の力は衰えない。


「このままじゃ……押し切れない……!」


その瞬間、ルゥの瞳が輝き、セレナの雷紋が共鳴する。


《共鳴魔法:雷竜陣》

発動条件:竜と巫女の魔力が完全に同期

効果:雷属性の魔力を竜の爪と翼に宿し、空間を裂く一閃を放つ


「ルゥ、今よ!」


ルゥが咆哮を上げ、翼を広げる。

セレナが剣を掲げ、雷が空を貫く。


「雷竜陣――空裂閃!」


雷と炎が融合し、巨大な竜の形を成してザルグへと突進する。

黒炎が押し返そうとするが、雷竜がそれを飲み込み、魔竜の顎を貫いた。


ザルグの右腕が砕け、フィンが宙へと投げ出される。


「フィン!!」


セレナがルゥとともに急降下し、フィンを抱きとめる。

雷竜が爆発し、空艦《黒翼改》の残骸が遠くで崩れ落ちていく。


ザルグは黒煙の中に浮かび、傷だらけの身体を支えながら、虚空を見つめていた。


そのとき――

彼の脳内に、低く響く声が届く。


『……お前の器は、まだ足りぬ。だが、意志は見えた。完全なる融合を望むか?』


魔竜《ヴァル=ネグロス》の意識が、ザルグに語りかけていた。


「……交渉か。貴様が私に選ばせるとはな」


ザルグは静かに笑う。


「よかろう。力が欲しい。ならば、魂ごと喰らえ。私は貴様と一つになる」


黒炎が再び彼の身体を包み、魔竜の顎が彼の胸に刻まれる。


《完全融合開始――魔竜将ザルグ=ネグロス》


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ