表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/104

第82話:墜落の空艦、託された背中



―沈む空、託す想い―


空艦《黒翼改》の内部――

崩れゆく通路を、ミーナはカイルを背負って必死に走っていた。


カイルの意識はまだ戻らず、身体は熱を帯びていた。

魔力の枯渇と傷の深さが、彼の命を削っている。


「お願い、もう少しだけ耐えて……!」


そのとき、崩れた壁の向こうに小さな影が見えた。


「……リィナ!?」


振り返ったのは、幼い少女――

だがその瞳は、確かにリィナのものだった。


「リィナ? なんで子供に……?」


「その話は後で……」

リィナは息を整えながら言った。


「この船はもう持たない……魔導炉が限界。

 ミーナ、魔力を少し分けて。脱出魔法を発動する」


ミーナは目を見開く。


「脱出? でも……セレナは!?」


リィナは静かに、指を上へ向けた。


天井の裂け目から見える空――

そこでは、ルゥの背に乗ったセレナが、ザルグと激しい空中戦を繰り広げていた。


雷と黒炎が交差し、空が震えていた。


「……今は、任せるしかないみたいね」


ミーナは拳を握りしめ、うなずいた。


「わかった。セレナを信じる。だから私たちは……生きて、待つ!」


リィナが魔法陣を展開し、ミーナが魔力を注ぎ込む。

脱出の光が、崩れゆく艦内を照らし始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ