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第65話:最後の核、命を喰らうもの



―風の導き、白星竜と共鳴する者たち―


洞窟の奥、崩れ落ちた魔核の主の残骸の中心に――

黒く脈打つ“最後の核”が、なおも鼓動を続けていた。


「……あれが本体か」

カイルが剣を構えながら低く呟く。


その核は、魔物のコアを寄せ集めた魔力の塊。

周囲の空間から魔力を吸い上げ、再構築を始めていた。


「再生してる……!」

ミーナが炎を構え、セレナがルゥの背で警戒を強める。


その時、リィナが一歩前に出た。

彼女の瞳が淡く光り、風が渦を巻く。


「……試してみたい魔法があるの。コアを食べなくても、魔力を吸収できるかもしれない」


彼女が両手を広げると、風が洞窟全体を包み込んだ。

魔物の残骸から浮かび上がるコア――それらが風に乗って舞い上がる。


「“風精転化陣ふうせいてんかじん”――魔力を分解して、仲間に流す!」


風がコアを包み、魔力の粒子へと変換される。

それは四人と一体の身体へと吸収されていった。


「……っ、魔力が……流れ込んでくる……!」

ミーナが炎を強め、カイルの剣が光を帯びる。


セレナの手の甲の紋様が脈打ち、ルゥの身体が再び輝き始めた。

白金色の鱗がさらに光を増し、翼が広がる。


「ルゥ……進化が、もう一段階……!」

セレナが目を見開く。


ルゥの姿は、空竜の最終形態――“白星竜”へと至っていた。

その咆哮は、魔核の主の再生を阻むように空間を震わせる。


「みんな、準備はいい?」

セレナが剣を構え、仲間たちが頷く。


最後の核が咆哮を上げ、魔力の触手を放つ。

空間が歪み、命を喰らう魔力が仲間たちを襲う。


だが、セレナとルゥはそれを避けながら、中央へ突き進む。


「最大共鳴魔法、もう一度――今度こそ、終わらせる!」


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