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第64話:白金の空竜、滅びを裂く翼



―進化の咆哮、最終決戦の幕開け―


白金の光が洞窟を満たす。

空竜ルゥの鱗は輝きを増し、翼はさらに大きく、鋭く広がっていた。

その姿は、もはや“竜”というより“神話”だった。


「……ルゥ、進化したのね」

セレナが呟く。

手の甲の紋様が共鳴し、白金の光と脈動を重ねる。


魔核の主が咆哮する。

その身体は、無数の魔物のコアを核にした魔力の集合体。

触れるだけで魔力を吸い尽くす“黒の渦”が、空間を侵食していた。


「来るぞ!」

カイルが剣を構え、ミーナとリィナが左右に展開する。


だが、セレナは一歩前に出た。

「ルゥ、空へ」


白金の翼が広がり、セレナを乗せて宙へ舞い上がる。

魔核の主の咆哮が追いかけるが、ルゥの飛翔はそれを上回った。


「みんな、援護お願い!」

セレナの声に、ミーナが炎の結界を張り、リィナが風の盾を重ねる。

カイルは地を駆け、魔核の主の足元を牽制する。


セレナは剣を構え、ルゥの背で深く息を吸った。

「最大共鳴魔法――もう一段階、いけるはず」


ルゥが咆哮し、白金の紋様が全身に走る。

セレナの剣が光を帯び、空間が震え始める。


「いくよ……“白星・終焉断翼はくせい・しゅうえんだんよく”!」


光が爆ぜた。

白金の翼が空を裂き、魔核の主の中心へと突き刺さる。

凄まじい閃光と衝撃――


魔核の主が悲鳴のような咆哮を上げ、崩れ始めた。

その身体を構成していたコアが砕け、魔力が霧散していく。


「……やった……の?」

ミーナが呟く。


セレナはルゥの背で剣を下ろし、静かに言った。

「まだ……終わってない。核が残ってる」


洞窟の奥、黒く脈打つ“最後の核”が、なおも鼓動を続けていた。


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