表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/98

第40話:祝福の空、ドラゴンクィーンの誓い



王都の空は、澄み渡っていた。

戦いの余波は静まり、街には祝福の準備が戻ってきていた。


塔の鐘が鳴り、広場には人々が集まる。

空には魔導飛行艇〈ウィンドレイヴ〉がゆるやかに旋回し、銀の翼を輝かせていた。


その甲板には、フィンが立っていた。

帽子を押さえながら、風精霊と語り合うように空を見つめている。


「この空は、もう大丈夫だね。

君たちの絆が、ちゃんと守った」


---


王宮では、セレナとレオニスの祝福の式典が始まっていた。

純白の衣を纏ったセレナは、ルゥと共に塔の階段を降りてくる。


ルゥはドラゴンメイルを纏ったまま、堂々と空を舞いながら祝福の輪を描く。

その姿に、民衆は歓声を上げた。


「空竜が祝福している!」

「ドラゴンクィーンだ!」


レオニスはセレナの手を取り、静かに言った。

「この空を、君と共に守る。王としてではなく、一人の人間として」


セレナは頷き、空を見上げる。

「私はこの空を守る者。そして、絆を信じる者。

この空が誰かの希望になるように――私は、ドラゴンクィーンとして生きていく」


---


式典の最後、セレナは塔の上に立ち、空へ向かって誓いを立てた。


「私はこの空を守る者。

絆を信じ、風と共に歩む者。

この空が誰かの希望になるように――私は、ドラゴンクィーンとして生きていく」


風が吹いた。

それは、祝福を運ぶ風だった。


フィンは飛行艇の甲板で微笑み、静かに操縦席へと戻る。

「さて、次の風に乗ろうか。魔法は、まだ旅を続けてる」


飛行艇〈ウィンドレイヴ〉は旋回し、雲の向こうへと消えていった。


---


その夜、王都の空には、ルゥの翼が静かに舞っていた。

小さな風と、大きな魔法が――

再び、世界を包み始めていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ