第75話:魔導部隊、本部会議
夜のラグナベル。
魔導部隊本部の会議室は、魔導灯と魔導モニタの光で明るく照らされていた。
広い室内には、アメリア、クラリッサ、バックス、そして領主ヴァルターまで勢揃いしている。
魔導隊長が前に立ち、敬礼した。
「魔導隊長以下、現役隊員から見習いまで――42名、全員揃っております!」
クラリッサは頷き、前に出る。
「みなさん、ありがとうございます、ある作戦遂行の為この中から強力な魔力保持者何名かにに手伝って――」
言いかけて、クラリッサの言葉が止まった。
バックスが小声で言う。
「……クラリッサ。おい、あの子……」
クラリッサも目を細める。
「……わたしも気づいたわ……」
アメリアはきょとんとする。
「……? 何? 何?」
クラリッサは隊列の中の一人の少年を指差した。
「――あの少年は?」
魔導隊長が答える。
「ああ、先月入った見習いのエレンです。あの子が何か?」
クラリッサは少年をじっと見つめたまま言う。
「……いや。あの子を貸してほしいわ、魔導隊長」
魔導隊長は驚く。
「よろしいのですか? まだ魔導測定もしていない見習いですが……」
クラリッサは静かに頷いた。
「かまわないわ。――ヴァルターさん」
ヴァルターはすぐに立ち上がり、声を張る。
「ここからは機密会議だ!
皆、ご苦労! 解散!」
隊員たちは一斉に敬礼し、部屋を後にした。
残されたのは――
アメリア、クラリッサ、バックス、ヴァルター、そして少年エレン。
静まり返った会議室で、
何かが動き出そうとしていた。




