第72話:灰都レヴィアスの影
クラリッサは魔力を指先に集め、
地図盤へ赤い光を流し込んだ。
光は線となって走り、
ひとつの地点を指し示す。
そこには――
灰都レヴィアス
そしてその奥に連なる
レヴィアス山脈 の名があった。
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バックスが低く呟く。
「……灰都レヴィアス。かつて帝国だったところだな」
アメリアは地図を覗き込みながら首をかしげる。
「レヴィアス……?」
クラリッサは静かに答えた。
「その昔、セレナさんが滅ぼした国よ……」
アメリアは目を丸くする。
「え! おばあちゃんが!?」
クラリッサは苦笑した。
「私のおじいちゃんとおばあちゃんと一緒にね……」
バックスは思わず吹き出す。
「……すっげぇゆかりあるじゃん、お前ら!」
クラリッサは肩をすくめる。
「……まぁ、その手前を指してるだけかもしれないけど。
最悪の場合は……」
バックスが続きを引き取る。
「……レヴィアス山脈まで……
いや、さらにその先かもしれねぇ」
アメリアは拳を握りしめた。
「……と、とにかく行こう!
バックスは行ったことある? 灰都レヴィアス」
バックスは遠い目をした。
「……ああ。何年も前にな……
かつて栄えた帝国も、今はゴロツキの巣窟だ」
アメリアとクラリッサは息を呑む。
灰都レヴィアス――
そこは、過去の因縁と新たな脅威が眠る場所。
三人の旅は、
いよいよ“本筋”へと踏み込もうとしていた。




