第65話:名前がついた赤い爪
「くらえぇぇ!!」
アメリアが赤く輝く爪を振り抜くたび、
ゴブリンたちがまとめて吹き飛んでいく。
赤い衝撃が地面を裂き、森に轟音が響いた。
クラリッサも負けじと魔法を放つ。
「雷牙・裂閃!!」
雷をまとった刃が奔り、
ゴブリンの群れを一気に切り裂いた。
二人は背中合わせで戦いながら、
次々とゴブリンを駆逐していく。
その最中――
「……クラリッサ!」
「……なに!」
アメリアが真剣な顔で叫ぶ。
「何か無い!」
「何かって何よ!」
「技名! 赤い爪の技名!!」
クラリッサは呆れたように叫び返す。
「魔法じゃないから必要ないでしょ!!」
「……でも何か言いたい!!」
クラリッサは一瞬考え、
「……竜の爪は?」
と提案する。
アメリアは即座に首を振る。
「違うのがいい!」
「え〜……じゃあ……ドラゴンファングは?」
アメリアは一瞬黙り――
「……思春期っぽいけど採用!!」
クラリッサは額に青筋を浮かべる。
「なんだそりゃ……ムカつく……!」
アメリアは大きく息を吸い込み、
赤い爪を構えた。
「ドラゴンファング!!」
赤い爪の衝撃波が一直線に走り、
ゴブリンの群れをまとめて吹き飛ばした。
森が揺れ、
ゴブリンたちは魔素となって消えていく。
アメリアは満足げに拳を握った。
「……うん、やっぱり名前つけると気持ちいい!」
クラリッサは呆れながらも笑っていた。




