第59話:グレイフォレストの気配
深い霧が漂う森――
グレイフォレストの入口に三人は立っていた。
アメリアは腕を抱きながら森を見つめる。
「……なんか嫌な感じの森ね……」
クラリッサも眉をひそめた。
「……間違いない……これは“何かいる”わ……」
バックスが前に出る。
「クラリッサ、索敵できるか?」
「うん、やってみる。
《魔力探査・サーチオラクル》!」
クラリッサの瞳が淡く光り、魔力の波が森へ広がっていく。
次の瞬間――
クラリッサの顔が青ざめた。
「……ヤバ! すごい数!!」
アメリアが慌てて近づく。
「え、どれくらい!?」
クラリッサは震える声で答えた。
「2レンダ先に……
小型が400……
中型が80……
大型が……2……」
バックスが舌打ちする。
「……大型2だと!?
キングゴブリンが2体か!」
アメリアが首をかしげる。
「キングゴブリンって……そんなにヤバイの?」
バックスは真顔で言った。
「ヤバイぞ。俺でもギリだ……
まあ、脳筋のお前には分からんだろうが……」
アメリアは頬を膨らませた。
「何それ失礼! バックスさんのアンポンタン!」
クラリッサが二人の間に入る。
「……とにかく、近くまで行ってみましょう。
状況を見ないと判断できないわ」
三人は森の奥へと足を踏み入れた。
グレイフォレストの闇が、静かに彼らを飲み込んでいく。




