表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された令嬢、辺境でドラゴンを育てる  作者: 木挽
アメリア・エルミナール

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

159/167

第58話:交易都市ラグナベルと、三人の実力



三人が辿り着いたのは――

交易都市ラグナベル。


大河と街道が交わる要衝で、

荷馬車がひっきりなしに行き交い、

露店の呼び声が絶えない活気ある町だ。


香辛料の匂い、鍛冶屋の金属音、

旅人や商人の笑い声が混ざり合い、

昨日までの荒れた旅が嘘のように思えるほど賑やかだった。


---


■ 商店にて


バックスは地図の値札を見て、思わず叫んだ。

「40万レスターだと!?」


店主は肩をすくめ、当然のように言う。

「お客さん、これは“地図”だよ?

しかも魔導演算式の最新型。これくらいはするさ」


アメリアとクラリッサは無一文。

バックスは二人の視線を感じ、気まずそうに顔をそらした。


三人は店を後にする。


---


■ お金を稼ぐしかない


クラリッサがため息をつく。

「……お金、稼ぐしかないね……」


アメリアは自分の服を見下ろした。

晩餐会用のドレスに、拾ったブーツ。

旅の格好としてはあまりにも場違いだ。


「……私の服も、旅には向いてないし……」


その時、視界に大きな看板が入った。


冒険者ギルド・ラグナベル支部


バックスが顎をしゃくる。

「……依頼を受けるか……」


---


■ ギルドの嘲笑


ギルドに入ると、

屈強な冒険者たちが三人を睨みつけてきた。


「……お嬢ちゃん、子供の来るとこじゃねぇぞ……」

「帰りな、迷子ちゃんよ……」


嘲笑が飛び交う。


アメリアはむっとしたが、クラリッサが肩を押して受付へ向かわせた。


受付には、筋肉質で強面のオヤジが座っていた。

その目は完全に“見下し”だった。


バックスが言う。

「依頼を受けたい」


オヤジは鼻で笑う。

「……ステータス確認だ。どうせ雑魚だろ……」


クラリッサがステータスオラクルを展開した。


光の板に数字が浮かぶ。


「……レベル……500!?」


ギルド内がざわつく。


バックスもオラクルを出す。

「レベル800!」


「はぁ!? 見たことねぇぞそんな数字!!」


最後にアメリアが出す。

オヤジは覗き込み――

そのまま後ろによろめいた。


「……1400だと……!?」


ギルド内が静まり返る。

嘲笑は一瞬で消え失せた。


---


■ 応接室にて


支配人ギルバートが深々と頭を下げた。

「私は支配人のギルバートと申します。

先程は受付が大変失礼を……!」


バックスは手を振る。

「いや、問題ない。

俺たちは金がいる。

さっさと依頼をくれ――一番高いやつだ」


ギルバートは資料を開きながら言った。

「それならば、最適な依頼があります。

グレイフォレストにゴブリンの群れが出現しまして……

発生は二週間前。

ちょうどエルミナがエメラルドに綴じ込まれた頃です」


アメリアの表情が曇る。

クラリッサがそっと肩を抱いた。


「恐らく……キングゴブリンが出現したと」


バックスは短く頷く。

「そいつらの討伐だな」


ギルバートは深刻な顔で言った。

「はい。報酬は……200万です」


バックスは即答した。

「乗った!

今夜、討伐に行く」


アメリアとクラリッサも頷く。


交易都市ラグナベルの喧騒の中で、

三人の新たな戦いが静かに幕を開けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ