第53話:赤い宝石の導き
バックスは静かに懐へ手を入れ、
赤い宝石のついた首飾りを取り出した。
「……これを」
アメリアは受け取り、目を丸くする。
「……首飾り……」
クラリッサがそっと微笑む。
「……つけてあげる」
アメリアの首に、赤い宝石が触れた瞬間――
どこか懐かしい温もりが胸に広がった。
アメリアは宝石を指でそっと撫でる。
「……セレナおばあちゃん……」
その瞬間、
赤い宝石から一筋の光が走った。
まるで矢のように、
一点の方向を指し示すかのように伸びていく。
アメリアは驚き、手を離した。
「……これは……?」
光はふっと消えた。
バックスは腕を組み、眉をひそめる。
「……俺にもわからん……
だが、何かを指し示してるように見えたな……」
クラリッサが小さく頷く。
「……光の方向に、何かがある……みたいな?」
バックスは深く息を吐き、
疲れ切った顔で二人を見る。
「……明日、その光が示す場所へ行こう。
今日はもう休もう……
さすがに俺も限界だ……」
アメリアは首飾りを握りしめ、
消えた赤い光の方向を見つめていた。
その瞳には――
不安と、微かな希望が揺れていた。




