第50話:崩壊の足音
城内の階段を――
老人とは思えない速度 でカイルが駆け上がっていた。
鎧が軋む音すら追いつかない。
ただ一つの名を胸に、必死に。
「……セレナ……!」
その時、城全体が大きく揺れた。
壁が震え、天井の砂が落ちる。
カイルは反射的に窓穴へ駆け寄り、下を覗いた。
そこには――
聖堂へ突っ込んでいくギガンテスの群れ。
金色の結界に巨体がぶつかり、
地面が砕け、建物が倒壊していく。
カイルの顔が蒼白になる。
「……ミーナ!!」
迷うことなく、
カイルは窓穴から飛び降りた。
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■ 空中戦、セレナの苦境
上空では、
魔竜ザルグがセレナへ波状攻撃を仕掛けていた。
黒い魔弾が雨のように降り注ぎ、
セレナは血の翼を必死に操りながら避け続ける。
だが――
完全に防戦一方。
アミバが叫ぶ。
「……魔王様! 結界が……解かれていきます!」
ザルグは攻撃を続けながら笑う。
「よし、皆! もう一息だ!
クラッシュ、G、デルタ――ビショップを援護しろ!」
「了解!!」
三人は空中から一斉に魔法弾を放ち、
聖堂へ向かうギガンテスの進軍をさらに加速させる。
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■ 魔法サークル、完成
ザルグは空を見渡し、叫ぶ。
「サークルはどうだ!」
アミバが魔力を確認し、頷く。
「配置……完了しました!!」
エルミナの空に、
魔族の竜騎兵が描いた巨大な魔法陣が輝き始める。
王都全体を包囲する“魔族の陣”。
ザルグはセレナを見下ろし、
黒い竜の口元を歪めた。
「……竜の巫女よ……
お前の国が――なくなるぞ……」
その言葉は、
空気よりも重く、
刃よりも鋭く、
セレナの胸に突き刺さった。




