第47話:地獄の開戦、英雄たちの決断
森の奥で――
大地が裂けるような爆音 が響き渡った。
次の瞬間、巨大な火柱が森を突き破り、空へと吹き上がる。
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■ 騎士三千、元帥の元に集結
エルミナ外縁。
元帥カイルと将軍エドガーの前には、
王国騎士三千 が整列していた。
鎧のきしむ音、馬の嘶き、兵士たちの荒い息。
全員が緊張で喉を鳴らしながら、迫り来る魔族軍を睨みつけている。
そこへ砂煙を上げながらアーサーが駆け込んだ。
「元帥! 将軍! 状況は――!」
カイルは振り返り、アーサーの肩を掴む。
その顔は険しく、汗が流れていた。
「アーサー! とにかくヤバい状況だ!!」
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■ ギガンテス千体、竜騎兵二千
エドガーが剣を構え、震える声で叫ぶ。
「……ギガンテス……!
ギガンテスの群れです!!」
森の木々をなぎ倒しながら、
身の丈20メートルを超える巨人たちが次々と姿を現す。
その数――
千。
さらに上空では――
魔族の竜騎兵二千 が炎と雷を降らせながら旋回していた。
アーサーはその光景を見て息を呑む。
「……これが……戦争……」
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■ 絶世の美女魔族・ビショップ
巨人たちの前に、黒いドレスをまとった絶世の美女が歩み出た。
魔族幹部――ビショップ。
「行け、ギガンテス。
エルミナを更地に変えろ。」
巨人たちが咆哮し、大地が揺れた。
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■ 王国軍、総崩れ寸前
エドガーが剣を掲げ、喉が裂けるほどの声で叫ぶ。
「全軍――
何としても死守せよ!!
ここを突破されたら王都は終わりだ!!」
アーサーは剣を抜き、前へ踏み出した。
その目は決死の覚悟に満ちている。
「……特攻するぞ。
続け!!」
騎士三千が雄叫びを上げ、アーサーの背中を追う。
竜騎兵の炎が降り注ぎ、地面が爆ぜる。
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■ カイルの決断
アーサーが敵陣へ駆け込んでいく背中を見ながら、
カイルは拳を握りしめ、唇を噛んだ。
「……申し訳無い……
俺は……セレナを助けにいく……」
その声は震えていた。
元帥としてではなく、
一人の“家族を持つ男”としての声だった。
エドガーはその横顔を見つめ、静かに頷いた。
「……仕方ないです……
行ってください……
エルダーン家の誇り……
あなたが背負っているものは、誰よりも重い」
カイルは深く頭を下げ、走り出した。
「必ず……助ける!!」
その背中は、
老いてなお“英雄”の風格を失っていなかった。
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