第46話:魔竜召喚
バックスは空を見上げ、セレナが放った《血穿滅槍・ブラッドピアサー》の余波を感じながら呟いた。
「……すげえ威力だ……
ダーツの力だけじゃねぇ……
全盛期の“竜の巫女”の力が乗積してやがる……」
その言葉は驚愕と興奮が入り混じっていた。
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■ 親衛隊の焦り
Gが血を流しながら叫ぶ。
「……やべえ……大丈夫か親方様!!」
クラッシュは怒りに震え、拳を握りしめる。
「黙れ!! くそ……部下もやられた……
今はコイツを殺ろうぜ……!」
デルタはザルグの残った頭部を見上げ、静かに言った。
「……親方様を信じるぞ……」
三人は一斉にバックスへ襲いかかった。
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■ バックスの限界
バックスは血の海を操り、
刃と壁を交互に展開しながら必死に攻撃をしのぐ。
「《血障壁・ブラッドウォール》!」
「《血刃旋鎌・ブラッドサイズ》!」
だが三人の猛攻は止まらない。
バックスの体にも深い傷が刻まれ、血が滴る。
「……くそ……!
すまん、セレナ……ここらが限界だ……」
バックスは血を操り、足元に魔法陣を展開する。
「孫娘の件は……任せとけ……
《血界転移・ブラッドシフト》!」
血が渦を巻き、バックスの姿が霧のように消えた。
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■ 血の翼のセレナ
その瞬間、空中に――
血まみれのセレナがゆっくりと降りてきた。
背中には、
赤黒い血が固まり形作った 巨大なコウモリの翼。
アミバが怒りに震えながら叫ぶ。
「……貴様!!」
だがザルグの残った頭部が、
不気味なほど楽しげに声を響かせた。
〈待て、アミバ……
面白いモノを見せてやる〉
アミバが息を呑む。
「魔王様……?」
ザルグの頭部の下――
吹き飛んだ胴体の断面から黒い霧が噴き出し、
空間が歪み始める。
ザルグの声が響く。
〈――魔竜召喚〉
空が震え、
闇が裂け、
巨大な黒い影が姿を現した。
その咆哮は、
戦場のすべてを震わせた。




