第45話:蘇る姫と魔王の笑み
バックスが血の海に手を突き立て、叫ぶ。
「行けぇ!!
《血柱昇天・ブラッドピラーアサルト》!!」
赤黒い血が柱となって爆発的に立ち上がり、
セレナの身体を凄まじい勢いで空へと射出した。
セレナは空中で回転しながら姿勢を整え、
血で濡れた長い髪を後ろへかきあげる。
美しい 、若き日のセレナ。
その姿を見たザルグは、
上半身だけの状態でありながら目を見開き、歓喜の声を上げる。
「おお!! あの頃のセレナか!!
懐かしい姿だな……!」
アミバが必死にザルグの身体を支えながら叫ぶ。
「魔王様! 今はそんな場合では――!」
だがザルグは笑っていた。
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■ 竜の力、再び
セレナは紅い瞳を輝かせ、叫ぶ。
「《竜脈解放・ドラゴンフォース》!!」
筋肉が一気に膨張し、
赤黒いオーラが全身を包む。
若返った肉体に竜の力が宿り、
その姿はまさに“竜の姫”の再来だった。
ザルグは興味深そうに呟く。
「……竜強化……? 俺と同じ……?」
セレナは迷いなく叫ぶ。
「死ね!! ザルグ!!」
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セレナの手から放たれたのは、
バックスが託した血染めのダーツ。
その名は――
《血穿滅槍・ブラッドピアサー》
赤黒い光を引きながら一直線に飛び、
ザルグとアミバへ向かって突き進む。
アミバが目を見開く。
「魔王様!! 危――」
ズドォォォン!!
ダーツはザルグの胴体とアミバの左腕を吹き飛ばし、
そのまま竜騎兵隊の中心へ突入した。
爆発的な衝撃波が空を裂き、
竜騎兵五百が一瞬で消し飛んだ。
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地上からその光景を見ていたバックスが叫ぶ。
「……やったか!!」
空中には、
顎から上だけ残ったザルグの頭部が浮かんでいた。
アミバは片腕を失いながらも叫ぶ。
「……魔王様!! 魔王様ぁ!!」
だが――
ザルグの残った顔は、
血を垂らしながらも、不適な笑みを浮かべていた。
その笑みは、
“まだ終わっていない”
と告げているかのようだった。




