第42話:魔王損傷
ザルグがセレナの《紅蓮共鳴・クリムゾン・レゾナンス》を受けた瞬間――
エルミナ城全体が揺れ、空気が震えた。
上空で陣形を組んでいた竜騎兵たちも、その衝撃に息を呑む。
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■ 親衛隊の動揺
アミバが目を見開く。
「!!」
クラッシュが拳を握りしめ、顔を青ざめさせる。
「! ヤバくないか……あれ……!」
次の瞬間、アミバは竜の背から飛び降りた。
風を切り裂きながら、一直線に城の最上部へ向かう。
「魔王様!!」
Gが叫ぶ。
「俺らも続くぞ!!」
デルタも慌てて竜を急降下させる。
「親方様〜!!」
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■ 魔防御結界
アミバが着地すると同時に、両手を広げて叫ぶ。
「《黒盾障壁・ダークシールド》!!」
漆黒の魔力が渦を巻き、ザルグの周囲に巨大な防御結界が展開された。
瓦礫が弾かれ、空気が重く沈む。
その中心で――
ザルグは片膝をつき、荒い息を吐いていた。
下半身が、完全に吹き飛んでいる。
ザルグは血を吐きながら笑った。
「……く……これほどの力とは……侮っておったわ……!」
アミバが駆け寄る。
「魔王様!! 今、治癒を――」
ザルグは手で制した。
「よい……まだ……終わっておらん……」
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■ セレナ、追撃へ
その頃、デルタ、G、クラッシュの三人がセレナを取り囲んでいた。
三人の殺気が空気を刺す。
Gが槍を構える。
「ババア……よくも親方様を……!」
クラッシュが拳を鳴らす。
「ここで終わりだ……!」
だがセレナは、老いた体に似合わぬ鋭い眼光で三人を睨み返した。
「……まだまだ!!」
セレナは懐から、血に染みた麻布を取り出す。
その布は、まるで生きているかのように脈動していた。
セレナは空に向かって叫ぶ。
「バックス!! 来て!!」
その声は、魔力を帯びて城中に響き渡った。
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