表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黎明記  作者: 蒼樹じゅん
19/28

黎明記~砂漠の章~⑫【**視点④】

朝になり、皇帝陛下がハレムに来られ刑が執行された、と宰相様を通じて私たちに伝えられた。

高貴な皇女さまが、牢屋に入れられて鞭打ちの刑に処されたと聞いて、私はその場に座り込んだ。


昔、別の奴隷商人が扱っていた奴隷が、鞭打たれたのを見たことがある。

馬や牛のように、革の鞭で打たれれば、人の柔らかい皮膚はすぐに裂けてしまう。

 

『皇女さまが、鞭打たれた…のですか』

『皇帝陛下直々に打たれたと、宰相様からお聞きしました』

乳母様が、震える唇で私に伝える。


『皇女さま…』

皇女さまの細いお身体では、耐えるなど無理でしょうに…。

さらに、見せしめに処刑されてしまうのでしょうか…。

涙が溢れて止まらない。

私が代わりになれれば…。


乳母様は筆頭側仕え監督の○○様をお訪ねに、なり、私は主人のいない部屋の片付けを始めた。

それから夕方になり、乳母様は戻って来られた。


『公妃様がたが声をあげてくださり、処刑は免れましたよ。ただ、宰相様より連絡が入りましたが、皇女さまのお傷が酷く、ハレムでは治療できないとのことで…』

やはりお傷が酷いのだ。

どこを鞭打たれたのだろう。

まだ若い女性だ、酷い傷痕にならないように望むばかりだ。


『治療のためにハレムを出られる、と表向きには発表されるようですよ』

まだ、安心はできないけれど、ハレムの牢屋に入ったままでないのが救いだ。

『ようございました』


『わたくしとあなたの今後ですが』

乳母様は私をしっかり見つめられた。

『わたくしは、乳母部屋に戻ることになりました。皇女さまがおられない今、他の姫様たちにつくことはできません』

『はい』


『あなたは、○○様のもとへ。どうやらお仕事があるようですよ』

乳母様は少し笑みを浮かべて、そう伝えてくださった。



その後、乳母様は乳母部屋に戻られてまとめ役に就任された。

私は筆頭側仕え監督の○○様のもとで、彼女の右腕となり、側仕えを教育するようになっていた。


あと、秘密裏に宰相様と連絡をとり、皇女さまの動向を知れるようにしてくださった。

決して口外はできなかったけれど、お元気だと知れて安心した。 


長い年月、私はハレムで側仕え監督を支え、側仕えを教育して過ごすことになる。

そうして、元皇女さまを影から見守り、彼女がお隠れになったのを確認して、自らの生涯に幕をおろしたのだった。

砂漠の章で、連続更新は一旦お休みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ