基礎魔術理論入門
はじめに
魔法(magic)と呼ばれる現象が観測されたのは、1975年、アメリカのフェルミ加速器研究所において、タウニュートリノの質量測定を目的とした実験においてだった。
通常ガウス分布を持つと考えられていた運動量分布が二つのピークに分かれたことが、ことの発端である。
それは現在では人間の集合意識場の質量に対する相互作用として認識されているが、当時は多くの理論家、実験家等を混乱の渦に落とし込んだ。
しかし、日本人の加賀静江と、イスラエル人のオドリジェフ・トルーワの共通知性に関する古典場理論をはじめとして20世紀後半の物理学と民俗学の融合は、実験的事実を精密に説明し、今日における基礎魔術理論の構築に至った。
基礎魔術理論の形成は他分野に多くの影響を齎し、ブラックボックスエンジンを始めとした工学応用も盛んに行われている。
しかし、そのように勢いのある分野でありながら、その基本的要素を正しく理解している人間はあまりに乏しいと言わざるを得ない。
物理学者は従来の因果論的思考に囚われており、また民俗人文学者は、数学を用いた表現方法に戸惑っている。
そこで本書は、理論魔術における最低限度の入門書を制作するという意図でつくられた。
目次
1、物理の数学
2、民俗学の数学的な定式化
3、量子力学入門
4、相対性理論入門
5、場の古典論入門
6、トルーワ・加賀空間
7、曖昧性原理と非因果論的力学
8、前後文脈対称性の破れ
9、エゴイズムベクトルと術式テンソル