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捜索 エピソード4
残りは二台の大型トレーラーだ。
「まだです、気を付けて下さい!!」
マルカがマシンピストルで応戦している最中、前方にガードレールが横切っていた。かなりの急カーブをしなければ時速150キロでは曲がり切れない。
僕は軽く舌打ちした。
「雷蔵様~~!! ブレーキ~!!」
「駄目だ!! 相手はトレーラーだ!! ブレーキを使うと、アリが象の足にわざわざ踏まれにいくようなものだ!!」
「雷蔵様~~!!」
故障したヨハと僕は真っ青になった。後方から自転車が大急ぎで走って来たのを僕の意識の片隅が捉えた。
と、次の瞬間。
後ろのトレーラーが落雷で、二台とも大爆発をした。
訳も分からずに、フェラーリをガードレールの手前擦れ擦れで急停車させると、一人の男が自転車から降りてきた。
「いや~、よかったね~。今日は番組を早く終わらせたんだよ。ようこそ、A区へ。矢多辺 雷蔵さん」
僕は呆然とその男を見た。
藤元 信二だった。