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「…誰…だと?」
旦那様と呼ばれていた男の眉間の皺がより深くなった。
「…奥様?混乱してるだけで「お母様!!…僕のことは?」
…今までの流れからすると、この子は私の子供で、この女の人は侍女かしら。
そして、この男はたぶん…
考えながら男の子をみると、不安で今にも涙が溢れ落ちそうになっている。
わからないと言ったら泣き出してしまうかしら。胸が痛む…でも、
「…あの、」
ごめんなさいと言おうとしたとき、
──コンコン
「失礼します。旦那様、テオドール様がいらっしゃいました。」
少し年配の執事らしき人と共に、若い男が入ってきた。
「遅くなって申し訳ございません。早急ですが、シャルロット夫人のご様子はいかがでしょうか?」
「……」
侍女と思われる女が旦那様をみると、自分のことを忘れたかのように尋ねられ、愕然としている。
(…旦那様、動かないじゃない。なにやってんのよ、ヘタレ!!奥様が混乱してるのに一緒に混乱してんじゃないわよ!!)
「テオドール様、奥様は旦那様や、私のことを覚えていないご様子です。その…エリック様のことも…。」
「そんな……お母様は僕のこと忘れちゃったの?…うわぁぁぁぁ」
エリックはとうとう泣き出してしまった。
「…アンナさん、悪いですが意識が戻ったばかりで混乱してると思うので皆さんを外にお願いします。」
「はい。さ、エリック様行きますよ。」
「いやだ!!お母様と一緒にいるー!!」
「うーん…そうだな。エリック君、お母さんと少しお話するだけだよ。すぐ終わるからアンナさんと一緒にお母さんが食べれるようなスープを持ってきてくれるかな。1週間も寝ていたからお腹空かしているよ。」
テオドールはエリックのそばに行くとしゃがんで優しく伝えた。
エリックはシャルロットをみる。
シャルロットは戸惑いながらも、
「…お願いします。」
とエリックに言った。
エリックは泣くのをやめ、
「…うん、わかった!すぐ戻ってくるからね。アンナ、行こう!」
とアンナを引っ張り部屋を出ていった。
「旦那様、私たちも外へ「いや、だめだ!私もここに残る。いくら医者でも、この男と二人にはさせられない!」
「はぁ…この状況で何を言い出すのですか、貴方は。相変わらずですね。そんなに眉間に皺を寄せて怒鳴っていたら、夫人はより混乱してしまいますよ。さ、外でお待ち下さい。」
「……!!」
夫らしき男はそれでも残ると言っていたが、見兼ねた執事に連れて行かれた。
文才が無さすぎて…お恥ずかしいのですが、伝わっていると嬉しいです。