1・2
──ドサッ
「キャァァァー!!奥様!!」
「お母様ー!!!!」
喉が熱い…
手を伸ばしたいのに身体が動かない…
あぁ、私の可愛いエリック。
ごめんね。
私が死んだらハロルド様は悲しんでくれるかしら。
あなたに愛されたかった…
──────────────────────────
ん……眩しい…ここは…
起きあがりたいけど手足が重たく思うように動かない。
──ガチャ
「お母様、今日も僕が絵本を読んであげるね!お母様も好きな森のお姫様だよ!」
…誰かきたの?
ベッドで目を覚ました女は、ゆっくり横を向く。
ドアの前には金髪のブルーの目をした男の子が女と目が合い驚いている。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
男の子は慌てて人を呼びに部屋を走って出ていった。
今あの子、私のことお母様って呼んでいたわ…
すぐに廊下から慌ただしい複数の足音がして、先程の男の子と女が部屋に入ってきた。
「奥様ーー!目を覚まされたのですね!このまま目を覚まさないかと…よかったです…」
奥様…私?この若い人は誰なんだろう。私をみて泣いている。どうして…
「奥様、ご気分はいかがですか?お腹は…いえ、先にお水ですね!お医者様もすぐに来ますので。」
「お水なら僕がお母様にあげるよ!」
「…旦那様?そんなところで何やってるんですか!奥様、目を覚まされましたよ!」
女は後ろのドアを振り返った。
開いたままのドアには男の子と容姿がそっくりな金髪のブルーの目をした美しい男が立っていた。
「あ、あぁ…。」
女に言われ、その男はベッドに近づいてきた。
この人、眉間に皺が…隈もひどい。
綺麗な顔しているのにもったいない。
…ちょっと待って!今、旦那様って言った?
私のことも奥様って…それにこの子は…
旦那様と呼ばれている男がすっと手をのばしてきたとき、今まで状況が把握できずに無言だった女が口をひらいた。
「……あなた誰?」
なろう様だと文字数あるようで、こちらでは1と2が一緒になります。すみません。