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私の前日譚

プロローグのユウ版です!

 「ユウ、準備はできタ?」


 「大丈夫だよお母さん!今日のために向こうで頑張ってきたんだからね!」


 彼と別れてから2年の時を経て、遂に私は今日彼に会いに来たのです…!



 「今日からこの学校に転校してきた王さんだ。……自己紹介できるかな?」


 「ハイ!……北京からきました。王 雨桐(ワン ユートン)といいます……よろしく…お願いします」


 「じゃあ席だけど……一番後ろの小鳥遊の隣にしよう。いいな、小鳥遊!」


 「いいですよ」


 「じゃあ王さん、あそこの席に行ってくれ」


 「ハイ!……よろしくお願いします、タカナシさん」


 「よろしく、ワンさん。ああ、それと僕の名前呼びにくいと思うからみんなと同じように凛って呼んでくれたらいいよ」


 「……わかりました!じゃあリンさん、よろしくです!でも、なんだか私はリンさんのこと名前で呼ぶのにリンさんだけ私の事を名字で呼ぶのはなんだか悲しいです…!」


 「そ、そうかな?じゃあなんて呼べばいい?」


 「それなら私の家ではみんな私のことをユウって呼ぶのでそれで呼んでくれると嬉しいです!」


 「わかったよ。…じゃあよろしくね、ユウ」


 リンは少しニコッとしながら私にそう言ってくれました。その姿に私は彼の事を好きになってしまったんです!……自分でも単純だなって思うけど、こんな気持ちになったのは初めてだった私はどうしようもありませんでした!


 そして、リンとはずっと仲良く休みの日も一緒に遊んだりしていました。でも、そんな楽しい日はずっとは続かなかったんです。



 「……ぇ?戻るってどういうこと?」


 「急な話にはなるんだけどね、私の本社への異動が決まったんだよ。だからまた北京に戻ることになったんだ」


 「そ、そんな…」


 「でもユウ、向こうなら友達がいっぱいいるだろう?」


 私はお父さんに反論しようとしたけど、私の代わりにお父さんに言ってくれたのはお母さんでした。


 「あなたはユウの事を何もわかってないネ!確かに北京なら友達はたくさんいるかもしれないけど、それ以上に大切な存在をユウは日本で見つけたんだヨ!」


 「そ、そうだったのか……ユウ?」


 「…………そうだヨ。私はもう、この町に大切な人を見つけたの」


 「そうか……でも、これはもう決まってしまったことなんだ…だからユウ、高校に進学したらまた日本に戻るから2年だけ辛抱してもらえないか…?」


 「…………わかったヨ。じゃあそれに合わせて一つお願いがあるの」


 「なんだい?」


 「親切甜麺醤が欲しいの。彼にあげたいから」


 「……あれか。わかったよ、準備に時間がかるけど構わないかい?」


 「うん!よろしくね!」



 そして、中国に戻る直前に私はリンに親愛の証として親切甜麺醤をプレゼントしたの。そしたら、彼は星形のキーホルダーをお返しにくれたの!それが嬉しくてお父さんとお母さんにも自慢しちゃった!



 「お母さん、お父さん!見て!リンが甜麺醤のお返しにこのキーホルダーくれたの!」


 「それは良かったじゃないか!」


 「……まあ、またすごいものをくれたのね!」


 「……?」


 お母さんの言っていた意味はよくわからなかったけど、そんなことも気にならないほど私は嬉しい気持ちに包まれながら北京へと戻ったのです!



 「じゃあ行こう!お母さん!」


 「ええ」



 今日から、私とリンの素敵な毎日が始まるのです!

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