表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/34

異例の役割

 隊長は渋い声で、そして本人には聞こえない小声で呟いた。


「お前達も知っているだろう?十五年前の虹の話を・・・王子達の中でもギリス様は異質だ。試験中狙われる可能性が高い。それを心配した教育係の――あの美剣士の提案で、弟のマニス様が影武者となられるそうだ。よって我々はマニス様を丁重に扱い、警護しなければならない。アトシ、お前が異例の役目を受けたわけ、わかったか?」


 上官が名指しすると、部下の視線がアトシに集まる。

 アトシは小さく頷いた。


「足元にも及びませんが・・・瞳の色と髪色が似ていますね」


「そうだ。今までギリス様の教育係として側に仕えていたサラヤ殿が、王位継承権を巡る旅に同行せんのはおかしい。マニス様はギリス様の役を、お前はサラヤ様の役をするために選ばれたのだ」


 アトシは小さく頷いた。その髪色は黒。瞳は青紫色をしている。サラヤほどではないにしても男前の部類だ。背丈も体つきも、似てなくもない、という雰囲気だ。


「マニス様はこのことを御存じで・・・?」


 アトシが聞くと、隊長は何かを諦めるかのように小さくかぶりを振った。


「長い散歩程度にしか思っていないそうだ」



 ◇ 道中 坂 ◇


 山を降り、たんぽぽが自生した坂道の土手を行くいっこう。

 マニスは土手に下りてたんぽぽをつみだす。


「マニス様、何をされているのですか」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ