表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/34

三回目の礼拝堂


 マニスが降り投げた十字架型の魔法の杖は、電気をはらみながら飛んだ。

 それは今までの面々の命が、しみこんでいるかのような飛び方だった。

 一番大きな目に刺さった魔法の杖。

 そして一拍後、その魔物の巨体は破裂して死んだ。

 残ったのは、すでにこぶしほどの大きさの赤い石。

 それを拾い上げ、キヨバはギリスさまマニスさま、と言った。


「きっとどちらかが、王になられる・・・」


 そう呟いて、持っている石を示すかのようにしばらくキヨバは動かなかった。


 サラヤがそれに気づき、そしてキヨバに近づいて首の脈をはかった。

 溜息をはくと、少しかぶりをふる。


「死してなお、立っておられる・・・あなたは戦士の中の戦士だ。わたしは認むる」


 呆然と立ち尽くしているヨハンに、サラヤは言った。

「次の三回目の礼拝には出席しろ。きっと声が聞こえる」

「声・・・?」

 突如虚脱したのは、マニスで、それを支えたのはヨハンだった。



 ◇樹海の礼拝堂◇

    

 三回目の礼拝堂。

 この礼拝をすませば、樹海の旅も終わる。

 ギリスはアトシに支えられて。

 マニスはヨハンに支えられて。

 代行として、サラヤが卓に今まで集めた赤い石を置いた。

 そして、生き残った全員での祈りの時。 

 卓からつむじ風が吹き、今回ばかりは手を合わせているヨハンにも聞こえた。


《お前のうとむその存在は、感覚で子に名をつけるほどには母性がある生物 也》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ