ギリスはマニスでマニスはギリス
「気分転換っ」
サラヤが苦笑しながら言う。
「最近、ギリス様のご気分が優れないようなので、気分転換に、と」
「ほう・・・」
マニスの服を着たギリスはその布をつまんだりしてみて、少し笑う。
ギリスとマニスはハイタッチをした。
そこに、アトシが現れる。
サラヤが少し、警戒をあらわにする。
ある程度の距離で立ち止まり、そこから声をかけるアトシ。
「あの・・・サラヤ殿。許可願いたいことが・・・」
「なんだ」
「マニス様と、少し・・・お話・・・できないかな、って・・・」
眉をしかめる三人。
ギリスとマニスは顔を見合わせ、自分と相手とを指差し合う。
ギリスの格好をしたマニスが言う。
「マニス、何か相談ごとでもあるのだろう。行って来たらいい」
笑いを吹き出しそうになるのを我慢するサラヤ。
少し困ったように笑う、マニスの格好をしたギリス。
「えーっと・・・マ・・・あ、いや、ギリスが行けば?」
「なぜに、だ」
「まるで幼少の頃だ」
そんな戯れを見つめていたアトシは、マニスの姿をしたギリスに言う。
「お時間、いただけるでしょうか?」
マニスを見て、そしてマニスにうなずかれたので、ギリスはアトシにうなずいた。
歩きだしてすぐに、木の根につまづきそうになったギリスの手を引くアトシ。
「手をつなぎましょう」
「え?」
「夜道は、危ないので」
「あ・・・ああ・・・そう、だね」




