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五十個めの赤い石
その石を布で磨き、腰にそなえたポシェットにしまうマニス。
「五十個め・・・」
側に来たマル―ンが神妙に、しかし感心したように言った。
「数えておられたのですか」
「うん・・・」
まだ供養をしているギリスを見つめる、アトシ。
そのアトシの背中を、なぐさめるようにテツロウが軽く叩いた。
「ギリス様。先を急ぎませんと」
ギリスに声をかけたのは、サラヤだった。
◇滝つる草の洞窟◇
「はぁ・・・二度目ですね」
テツロウが側にいるギリスに言う。
「三か所回らねばならぬ、樹海の礼拝堂・・・今回で二度目・・・」
「あと一回まわったら、何かあるのかな?」
無邪気なマニスのその言葉に、は、と笑うヨハン。
アンドリューが、言う。
「滝つる草洞窟の礼拝堂の側には、必ず安全な温泉があるんですよね?」
マル―ンが答える。
「そうだ。そう聞いている」
「必ず、礼拝してからのみそぎって奇妙な感じですね」
「決まりなんですか?」
「そうだ。わけは知らなくていい」




