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求婚
「サラヤ殿にお話したいことがございます」
「予定外に帰りが遅かったことは詫びよう。邪魔が入った」
サラヤが示した場所に、死体が累々と十人は倒れている。
「ふたりきりで、お話が・・・」
アトシが少し、移動。
「なんだ」
「あの・・・無礼に無礼ではございますが・・・あの・・・」
「なんだ?」
「嫁に、欲しいっ・・・」
「なんだって?」
◇樹海 テント近く◇
暖をとっている面々。
今晩の火の番はジョエル、そしてアンドリュー。
「今日は髪を巻けないじゃないか・・・」
ぼやいているアンドリューに、片メガネのジョエルが言う。
「髪の心配も大切だけれど、ほら、毛布。ちゃんとかぶってなって」
毛布をかぶりなおして、ジョエルが言う。
「アンドリュー・・・」
「なんだい?」
「ヨハン隊長に、愛してる、って言えてよかったな」
数秒の間。
「そうだな・・・いつか、キヨバ隊にも・・・いや、なんでもない」




