滝壺での湯あみ
「お前たちっ・・・僕はっ・・・見ておいでっ・・・マル―ンっ」
薪に火をくべているマル―ンに、ヨハンは叫ぶ。
マル―ンが立ち上がる。
「なん、だ?」
ヨハンはマル―ンに抱きついた。
「ありがとうっ」
数秒の間があって、マル―ン=キヨバは声を上げた。
「はぁっっ?」
アトシとテツロウは声をひそめて笑った。
◇樹海 温泉滝◇
「はぁ~・・ここはどこだぁ・・・磁場で方向感覚がおかしくなってるかもしれない」
帰りが遅い、とアトシはサラヤ達の様子を見てくるようにマル―ンの命令で樹海に。
しげみをかきわけ、ざーざーと音がする場所は、温泉滝の滝の側。
しげみはジャスミンで、芳香が仄かに風に舞っている。
滝つぼからきゃっきゃと笑い声が聞こえて、のぞきこもうとしたアトシ。
足を踏み外し、そのまま転落する。
「うわぁっ」
何か柔らかい感触がして、アトシは温かい湯の中で、白い湯あみ服の少年を見つけた。
「マニス様っ」
「サラヤ、待って」
十字型の杖を素早くつかんで湯あみ服のままばしゃばしゃと温泉に入ってくる人物。
その十字型の魔法石のはめこんである杖の先を、ギリスはアトシに向けた。
「我らの湯あみに痴漢とは、どういう了見だ?」




