33話 皆で海へ①
俺達の住む街から駅で六つ先へ行くと海の駅に着く。
駅前のロータリーで待ち合わせをして、皆で海に向かう。
汐音はショートの髪にオフショルダーのシャツを着て、フレアースカートを履いている。
凛は茶髪のミディアムロングの髪にワンショルダーのワンピースを着てきた。
愛理はセピア色のワンピースを着ている。
三人共、洋服がよく似合っている。
荷物を運ぶのは俺と聡の役割だ。
二人共、荷物を背負って、電車に乗り込む。
汐音と凛と愛理の三人は夏休みに入ってから、初めて会ったのか、話が弾んで止まらない。
女子も三人いると姦しい。
聡が亮太に話しかけてくる。
「亮太は愛理と二人でプールに行ってきたんだろう」
「行ってきたぞ。とても楽しかった。聡もプールに行ってくればいいよ」
「俺には彼女がいないの。だから一緒にプールに行く女子はいない。何が悲しくて男子達だけでプールに行かないといけないんだよ。そんなのは絶対に嫌だ」
プールには男子だけのグループも多かったが、聡が嫌がっているので仕方がない。
「これから汐音達も一緒に海にいくんだからいいじゃないか。皆で海を楽しもう」
「俺は今日を楽しみにしてきたんだからな。亮太は愛理と二人でイチャついていればいい。汐音と凛の世話はおれがする」
「そうか。それじゃあ聡に任せるよ。頼むな」
「おう」
電車が6つ先の駅で止まった。俺達は慌てて下車する。
すると駅から少し離れた場所に海が見えていた。
俺と聡は荷物を持って、愛理、汐音、凛の三人の後に続く。
1本道を歩いていくと、すぐに海辺に辿り着いた。
海の家に着いて、荷物を預けて、女子達はシャワールームで水着に着替えている。
俺達もシャワールームで水着に着替えた。
俺も聡もトランクス型の水着だ。
愛理はプールにも着てきた三角水着のフレアータイプだ。豊満な胸が三角水着から露出している。
汐音は胸元がクロスデザインになっているビキニを着ている。スタイルのよい汐音にはピッタリの水着だ。
凛はワンショルダーの黒の水着を着ている。とてもセクシーな水着で凛にとても似合っている。
それを見た聡は目を潤ませていた。
「今日は来て良かった」
「三人共、水着がよく似合ってるね」
「そう言ってもらえて嬉しいわ」
汐音が嬉しそうに笑む。凛も微笑んでいる。
海の家から出た俺達は、砂浜で荷物を開いて、海水浴用のテントを開く。
5人では少し小さいが、荷物を置いておくには都合がいい。
それから愛理の浮き輪とボールを空気入れで膨らませていく。
「よしボールが膨らんだぞ。これで皆でバレーをしようぜ」
聡がバレーをしようと提案する。皆、笑顔で賛成する。
ボールを受けて、ボールを地面に落とさなければいいだけのゲームだ。
「私からいくよ」
汐音がボールを上に放り投げる。それを凛が下手で打ち返す。ボールは空を舞う。
それを俺が下手で打ち返して、ボールを浮かせる。愛理もなんとか打ち返した。
聡が汐音にボールをパスする。これで一周だ。
周りから男性達の視線が集まるが気にしない。
俺達はバレーボールをして、一時を忘れて楽しむ。
聡がボールを全く違う方向へ打ってしまった。
聡は罰ゲームとして、全身を砂に埋められて、顔しか見えない状態にされる。
汐音と凛も大笑いだ。愛理もお腹をかかえて笑っている。
バレーボールを一時中断して、みんなでテントに戻る。
そしてテントの中にバレーボールを置いておく。
愛理が浮き輪を身に着けた。
愛理のダイナマイトボディに浮き輪が可愛い。
俺達は全員、海に向って走った。
海に入ると少し海水の温度が冷たく感じるが、慣れてくると冷たさはなくなった。
汐音と凛の二人は沖まで泳いでいって、海にプカリと浮かんで楽しんでいる。
その近くには聡もいるが、聡は海に潜って、楽しんでいた。
俺と愛理は足の届くところまで海に入り、俺が浮き輪の上に乗って、浮き輪を安定させる。
「海のほうが何だか体が浮きやすい。とっても楽しい」
愛理は嬉しそうに俺に抱き着いてくる。
俺は必死に愛理の浮き輪を安定させる。
海の波が愛理と俺を揺らす。
そのため、愛理が俺にしっかりと抱き着いている。
愛理の豊満な双丘が俺の胸にムニュウっと当たって変形する。
それだけで俺は顔が赤くなり、何も考えられなくなる。
「亮太、浮き輪をしっかりと握っていてね。浮き輪を離されたら、私、溺れちゃうから」
「うん、わかってる。愛理は俺に抱き着いていてよ。離しちゃダメだよ」
「うん」
俺も海の中で愛理をギュッと抱きしめる。
愛理も嬉しそうに俺の体をギュッと抱きしめてくる。
海の中なので、周りから見えていないはずだ。
「海で男女が向き合っている訳がわかったような気がする」
「俺も今、分かった。お互いに抱き合っているだね」
「亮太の体って、ガッシリしていて、凄く頼りがいがある」
「愛理はすごく体が柔らかくて、今にも腰が折れそうな感じがする」
俺と愛理はしっかりと二人で抱き合ったまま、海の中を漂っていた。




