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27話 愛理とプール①

 終業式が終わり夏休みに入った。

俺と愛理は自転車に乗って二人で近くの大型リゾートプールへ向かった。


 自転車を駐輪場に止めて、二人で手を繋いでチケット売り場へと歩く。

今日は晴天で、陽光の日差しも眩しい。


 愛理の私服はセピア色のオフショルダーのフレアワンピースだ。

愛理の茶髪のロングストレートのカールした髪と白い肌によく似合っている。



「今日も服、似合ってるね」


「そう言われて嬉しい。今日のために水着と一緒に新調したんだけど、正解だった」


「水着も新しく買ったんだ?」


「うん、亮太をビックリさせようと思って。期待してね」



 もちろん期待しますとも。

昨日から愛理と二人でプールに行くことを考えて、あまり寝付けなかった。

ずっと愛理の水着姿を妄想して頭から離れなかった。



「亮太、目が真っ赤だけど……あまり寝ていないの?」


「うん……昨日から興奮して眠れなかったんだ」


「ウフフ……それじゃあ、行こうじゃん」



 チケット売り場で入場チケットを買い、ゲートをくぐって男女更衣室へ向かう。

更衣室へ着いた俺達は男女に分かれて更衣室へ入る。


 俺はトランクス型の水着に着替えて、プールサイドに出た。

それからしばらくすると愛理が水着に着替えて、プールサイドに出てきた。


 白の三角ビキニにフリルフレアの水着だ。

胸の三角ビキニが小さく、大きく豊満な胸が露出している。

思わず水着姿に見惚れてしまう。



「そんなにじーっと見ないでよ。恥ずかしいじゃん」


「すごく可愛いよ。思わず見惚れちゃった」


「そんなに可愛い?」


「うん……可愛いし、セクシーだ。とてもよく似合ってる」



 愛理は嬉しそうに微笑んで頬を赤く染める。

二人で手を繋いでプールサイドを歩く。

隣にいる愛理の姿が眩し過ぎる。

夏にプールでデートなんて、去年まで女子と無縁だった俺からは想像もできないことだ。

愛理と付き合うことができて本当に良かったと思う。



「私、泳げないから……浮き輪借りてもいいかな?」


「浮き輪……そうだね、レンタルを借りよう」



 プールサイドにいた係員にレンタル浮き輪の場所を聞いて、レンタルで浮き輪を借りた。

嬉しそうに浮き輪を付ける愛理。

グハ……スタイル抜群のボディに浮き輪が……

これは似合ってると言ったほうがいいのか……


 俺達は流れるプールに向かう。

大勢の人達が流れるプールに浮かんで、流されている。



「それじゃあ、プールの中へ入ろうか」


「うん……不安だから、亮太は私から絶対に離れないでね」


「俺も愛理の浮き輪に捕まっているから離れないよ」



 愛理の手を握って二人でそーっと流れるプールに入る。

すぐに流れに捕まえられ、皆と一緒の方向へ流される。



「キャー、亮太……怖いよ」


「大丈夫。俺が浮き輪を押えているから、浮き輪がひっくり返ることないよ」


「うう……ありがとう」



 周りで多くの大人達、子供達が流れるプールに漂ったり、飛びこんだりしている。

カップルの数も多い。

俺達も傍からみるとカップルに見えるのかな。


 愛理は不安なのか、俺の体に手を回して、俺に必死でしがみついている。

俺は浮き輪の上に体を乗せて、浮き輪がひっくり返らないように安定させる。

愛理の豊満な胸がムニュッと俺の体に密着する。

思わず頭の中が真っ白になる。

ムニュっとした二つの双丘の柔らかさと弾力性が体に伝わってくる。

これはヤバい破壊力だ。



「亮太に捕まってると安心する。少し落ち着いてきた。楽しい」


「不安なら俺に捕まっているといいよ。俺も愛理と二人で楽しい」



 周りにいる男性達が愛理をチラリチラリと覗いている。

そんなに見ても愛理は俺の彼女だ。

誰にも渡さないからな。


 流れるプールで体を流されながら一周した。

俺はプールサイドに手をついて、愛理の浮き輪を握って、流れるプールから愛理をあげる。

そして自分もプールサイドにあがって、愛理としっかり手を繋ぐ。



「あー楽しかった。プールって最高じゃん」


「そうだろう……来てみると楽しいだろう」


「亮太が居てくれるから安心して楽しめるし」



 愛理はそう言って俺の腕をしっかり握る。



「じゃあ、次のプールへ行こうか。次は愛理が泳ぎを覚えらえる普通のプールにしよう」


「うん、わかった。その前にかき氷を食べない?」


「それいいね。かき氷を食べよう」



 プールサイドにある屋台風のかき氷屋に立ち寄って、二人でかき氷を食べる。

愛理はクールミント味を頼み、俺はイチゴ味のシロップを頼んだ。

そしてストロー型のスプーンでかき氷を口の中へ入れる。

一口で頭にキーンとくる。



「かき氷、替えっこしよう。そのほうが二種類の味を楽しめるし」


「いいよ。替えよう」



 お互いにかき氷のカップを替えて、スプーンですくってかき氷を食べる。

クールミント味は口の中がスーッと爽やかになる不思議な味だった。

かき氷を食べ終わった俺達は普通のプールに向かう。


 そこでも大人達や子供達が多く泳いでいた。

シーズンだけに人の数が多い。



「じゃあ、プールの中に入ろうか」


「うん……亮太、離さないでね」


「大丈夫。俺が先にプールに入って、愛理を受け止めてあげるから」



 俺は先にプールに入り、愛理が入ってくるのを待つ。

愛理は手すりを持って、ゆっくりとプールに入ってくる。


 プールに入ってきた愛理は不安がって、俺にしがみついてくる。

これでは泳ぎの練習にならない。



「愛理、俺に捕まってくれるのは嬉しいんだけど、このままだと練習にならないよ。俺が愛理の両手をしっかり握っているから、愛理は自分で足を動かしてみて」


「絶対に両手を離さないでね」


「わかってる。絶対に離さないよ」



 俺は愛理の両手をしっかり握って、愛理をサポートする。

愛理は必死で足をばたつかせて、バタ足をしようとしている。



「時々、顔を水につけてごらんよ」


「顔を水につけるのが怖いじゃん」


「それに慣れないとだめだよ」


「わかった……やってみる」



 愛理は水の中に顔を沈めて、バタ足で泳ぐ練習をする。

俺は水中を立ち泳ぎして、愛理をプールの中央へ連れていく。

愛理は顔を水からあげて、不安そうに俺を見る。



「私、ちゃんと泳げてる? 前に進んでる?」


「ああ……少しずつだけど進んでるよ。だから大丈夫だよ」



 愛理にはそう言ったが、全て嘘だ。

愛理がバタ足しても前に進まない。

俺が立ち泳ぎで前に進めているだけだ。

それでもいい……愛理に自信を持ってもらうことが今回の目的だ。



「やったじゃん。私、きちんと泳げてるじゃん。段々、泳ぐのが楽しくなってきた」


「それは良かった。これで浮き輪を外して泳げたら合格なんだけどな」


「浮き輪を外すなんてできない。亮太の意地悪」



 そう言って愛理は俺の体に抱き着いた。

その顔は太陽のように満面の笑みを浮かべていた。

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