第2話 レインボーフィッシュ♪
「レインボーフィッシュ!レインボーフィッシュ!出て来いや〜!輝くボディーのお魚さん〜♪」
即興ソングを歌いながら池の周りを回る。
意外と大きい池なので、向かい側の雪子に声が届くか際どいところである。
「うーむ…。やっぱ虹色の魚は伝説的な生き物だから、実際は存在しないのかな?もし奇跡的に見つかったら人生ウハウハだよね?絶対見つける!!」
宝くじ当たらないかな?とか考えながら捜索してると、視界の端でキラリと光るものをとらえる。
「!?!?か、金か!?」
ラッキー!拾ったものは俺のもの!!俺のものは俺のもの!誰にも取られてなるものかー!!っとダッシュで拾いに行こうとした私がバカでした。
なんと小石に躓いて池に落ちてしまったのだ。
「あっ!待って!今12月〜ガハゴボ…ブク」
これ死ぬやつやん!
めっちゃ水冷たいやーん(泣)
しかも足に水草っぽいの絡まって上に登れない。
やばい、寒くてカラダ動かなくなってきた。
あぁ…せめて来月発売の『ときめきはいつも君のそばで』の続編、『きらめきはいつもすぐそこに』をプレイしてから死にたかった!
意識が朦朧とする中で最後に思ったのは、そんな事だった。
目が霞む中、最後見たものは水の中でキラキラと輝く虹色の魚。
あ、レインボーフィッシュ…
これが星野七海としての最後の記憶
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そして、次に気付いた時も池で溺れていた。
ガバゴボ
バシャバシャ
溺れながら前世の記憶を思い出したので、頭が混乱して訳が分からなくなる。
そんな中、たくましい腕か私を引っ張り上げてくれる。
「おい、アリシア!何やってんだよ!ただでさえ体が弱いのに!」
「ゴホゴホッ!ケ、ケイトありがとう。」
転生先のアリシアは小さい頃から体が弱く、いわゆる深窓のご令嬢である。
病弱だった為に世間知らずでもある。
そしてときどきお茶目な事を仕出かし、唯一の友達であり、幼馴染を困らせていた。
幼馴染の名前はケイト。
先程池から引っ張りあげてくれた命の恩人だ。
ケイトの父の妹が私の母なので、従兄弟でもある。
「ケイト、なんか私今頭がおかしいの!」
「いや、お前はいつも頭がおかしいぞ!」
失礼なやつである。
「とりあえず、部屋に戻るぞ!3日後の学園の入学式が控えてるんだからな!風邪ひいて体壊したら学園の入学が無しになるかもしれないぞ!てか、毎日庭を徘徊するのやめろ!」
「それは嫌!あんなに頼み込んで、1年かけてやっといい返事を貰えたのに。それに学園が楽しみでじっとしてられないなのよ!友達100人できるかもしれないじゃない!」
「いや、100人はちょっと…」
アリシアは友達を切実に欲しているのだった。
幼馴染君の名前にまだ悩んでます。
名前変わるかも⁇
いいとこのお坊ちゃんです。