番外編5.「家族ごっこがしたい」
※このお話は、本編とはまったく関係ありません。
「――――お姉ちゃん。お姉ちゃん!」
――――ね、眠い。
「――――ねえ? 聞いてるの?」
リール「――――トーカお姉ちゃん?」
トーカ「……」
トーカ(……ああ……ええと、なんだこれ)
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『番外編5.「家族ごっこがしたい」』
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『――――長女、ルリィ。クールな感じの物語のヒロインのような美人さん。
冷ややかな目をしているけど、根は優しい。家事ならどんとこいって感じの頼れるお姉ちゃん。そして、からかうのが大大大大大好き……。しばしば辛辣なことを言う……。
好き→ビィーア、トーカ。
苦手→アメ、ヴィネ、シピス、リール。
「ぷっ……クスクス~」→アメ、ティビィ。
身長→「……笑ったら殺すわよ?」
体重→りんご3個分(自称)。
最近の悩み→枕の高さが合わないこと。
――――次女、ビィーア。元気いっぱいで好奇心旺盛な性格。
笑顔が素敵でポジティブな性格だけど……天然で、結構ぬけてるところがあります……。
がんばれ、ビィーアお姉ちゃん!
好き→ルリィ、リール。
苦手→「いないよ!!!!!」
勉強→「なんとかなるよ!!!!!」
運動→「きっと大丈夫だよ!!!!!」
最近の悩み→「あんまりないよ!!!!!」
――――三女、アミュ。面倒見がよく、優しい、家族を大切に思ってくれているお母さんのようなお姉ちゃん。
文武両道で普段からしっかりとしていますが……時折、暴走してしまいます……。
彼氏に飢えているらしいので、拾ってくださる方は是非是非……。
なんか、すみません……。
好き→ビィーア、ティビィ、リール。
苦手→アメ、ティビィ、ティビィ、ティビィ、ティビィ、そしてティビィ。
好きなスポーツ→水泳、テニス。
好きなタイプ→イケメン……。
最近の悩み→「そうだなぁ……「お~い!!! こっちこっち~!!! ボール、パスしてよ~!!!」
「……。ティビィ、うるさい、あっちいけ……シッシッ」
――――四女、アメ。お人形さんのように綺麗な容姿で、負けん気が強いです。
困ったときには頼りになるお姉ちゃんで……寝顔がとってもかわいいです。でも、ティビィとはよく喧嘩しています……。
好き→ビィーア、トーカ、シピス。
苦手→ティビィ、ヴィネ、リール。
好きな漢字→勝
嫌いな漢字→負
最近の悩み→ティビィにサッカーで負けたこと。
――――五女、ティビィ。おてんばでリーダーシップがあります。
運動することが大好きで、カッコいいお姉ちゃんです。でも、めんどくさがりやで、トラブルメーカーだったりもします。
アメお姉ちゃんとはなかよくしてね……。
好き→ルリィ、ビィーア、アミュ。
苦手→アメ。
好きな本→「ん? 本? そんなの読まないぞ?」
好きな二次熟語→熱血
最近の悩み→「わかんない!」
――――六女、ヴィネ。努力家でおしとやかです。
博識で、私達が困ったときにいつもヒントを教えてくれます。でも、からかうのが大大大好きで、疑り深い性格でもあります……。
おしとやかなのかな……?
好き→ルリィ、(シピス)。
苦手→ビィーア、アメ、ティビィ、シピス、リール。
好きな惑星→海王星。
苦手な食べ物→トンカツ、牛丼、ステーキ等々。
最近の願い→世界平和。
――――七女、トーカ。明るくて思考力に長けています。
持久力があり、粘り強くくらいついていきます。そして、あまり流されやすい性格ではありません。でも、おっちょこちょいで、絵を描くのがとってもとっても苦手だとか……。
好き→ルリィ、ビィーア、アメ、リール。
苦手→ヴィネ、シピス。
誕生日→ヒ・ミ・ツ。
好きな花→タンポポ、フジ、マリーゴールド。
最近の悩み→ホラー映画が怖くてみれないこと。
――――八女、シピス。判断力、冷静さに長けていて、あまり物怖じしない性格で、幼い感じだけど濃艶な容姿をしている……。
やるときはやり、ときには凄まじい発想を考える。でも、めんどくさがりやで、性格に裏表があり、ときには被虐的なことをする場合も……。
ティビィお姉ちゃんが大好き……?
好き→(アメ)、ティビィ(?)、ヴィネ。
苦手→ルリィ、ビィーア、トーカ、リール。
血液型→AB型
表情→たくさん
最近の悩み→なにもかもめんどくさい。
――――九女、リール。可愛らしい容姿で、人懐っこい性格。
瞬発力には自信あり。あまり裏表がないので、みんなからの信頼度は高い。でも、悪ノリが酷かったり、裏表がないためにときには誰かを傷つけてしまうことも……。
クレイジーサイコレズらしい……。
好き→ビィーア、アミュ、ヴィネ、トーカ。
苦手→ルリィ、アメ。
好きなお菓子→和菓子全般。
寝相→よくない……。
寝場所→トーカお姉ちゃんのお隣。
最近の趣味→小説的な何かを書くこと。
設定、以上で終わり』
トーカ「――――なるほど、こんな変な設定の世界に迷い込んじゃって、私だけ意識が正常……に戻ったのか元からなのかは知らないけど、そういうわけなのかな」
トーカ(地味に、傷つく箇所がたくさんあるんだけど……)
リール「お姉ちゃん~ムフフ~」
トーカ(早く元の世界に帰りたい……)
ルリィ「――――あら? ……なんで、お前がココにいるのかしら」
トーカ「あ、お姉ちゃん」
リール「……ルリィお姉ちゃんこそ、なんでココにいるわけ!?」
トーカ(……設定的に、取り合いになりそうな展開だなぁ。さて、どうしよう)
リール「ウヌヌ……」
トーカ(とりあえず、ふたりを無視して部屋から出るかな……。それにしても、なんでこんなことに……)
――――下の階にあるリビングへと移動する。
アメ「――――あれ。……おはよ。……眠そうだね」
トーカ(……なんか、新鮮。パジャマ姿だったり行儀よくソファーに座っているところだったりが……)
トーカ「おはようございます」
トーカ(……スンスン。……紅茶の匂い?)
テーブルを見ると、カップやポット等が置かれている。
アメ「そんな他人行儀で話さなくてもいいって。家族なんだから……」
トーカ「ええと……うん……」
トーカ(そうだった。そういう設定の世界だった。……「目を覚ましてよ」、なんて言うべきだろうか?)
反対側のソファーに寝転がりながら、彼女をジッと見る。
ティビィ「――――おーす! おっはよ~!!!!!」
勢いよくティビィが入ってきて、元気よく扉を開ける。
アメ「――――あら、野蛮な人が来たわ。……寒いからそこ閉めて家から出てってよ」
ティビィ「……んだと!?」
アメ「……あ゛? ……ヤンノカゴラー」
トーカ(今、チラッと私の方を見たよね……。困ったなぁ。続けて険悪な雰囲気の場に出くわすなんて……)
アミュ「――――どうした~? こんな、朝っぱらから……」
トーカ「――――アミュ!」
トーカ(助かった! アミュなら間に入って止めてくれるはず!)
トーカ「実は――――ゴニョゴニョゴニョニョ――――」
アミュ「――――なるほど? いつもの光景じゃないか。まあ、無視しとけばいいよ」
トーカ(……アレ? なんか、アミュの性格がちょっとちがう感じがする……。まあ……どうでもいいや……)
トーカ「そうだね」
ビィーア「――――ハロー! 元気かい、諸君~!」
アミュ「あ、ビィーア姉さん。おはよう」
ビィーア「……んんんんん!? なに、なに~? 喧嘩かな~? そんなときは! お姉ちゃんに~おまかせ~!」
トーカ(あれ、この前お姉ちゃんといっしょにいた人だ)
アメ「喧嘩なんて、そんな野蛮なことしてませんよ。あの、バカそうな娘が一方的に突っかかってくるだけです」
トーカ(嘘つけ……)
ティビィ「――――はぁ!? お前が突っかかってきたんだろ!?」
アミュ「ティビィ、やめろって……」
トーカ(あ、いつものアミュだ!)
アミュ「埃が舞っちゃうから……」
トーカ(あれ、なんかちがう!? 設定のせいでもない……。もしかして、お姉ちゃんとかもおかしくなっちゃったりしてる?)
シピス「――――ふわ~わ。ねえ、ちょっと? うるさいんだけど!?」
トーカ「……あ、ごめん、シピス。すぐにふたりを止めるからね?」
シピス「早くしてよね~」
そう言い残して、彼女は部屋から出ていく。
ヴィネ「Zzz……」
トーカ(え!? ヴィネ、いつの間に!?)
この部屋には不釣り合いな炬燵の中に入り、ぬくぬくとした感じで彼女はぐっすりと寝ている。
トーカ(おしとやか……おしとやかじゃないね、コレ)
ビィーア「あれ!? イイ場所があるじゃな~い! お姉ちゃんもお邪魔しま~す~!」
トーカ(あ……)
ビィーア「Zzz……」
トーカ(魔のブラックホールへと呑み込まれていってしまったか……)
ティビィ「――――なあ! ちょっとさぁ! ちゃんと聞いてる!?」
アメ「あ、ごめんごめん、お前の鼻毛が気になって、全然1ミリ足りとも聞いてなかったわ」
ヴィネ「マジウケる~」
ティビィ「なんだと~!?」
トーカ「……ハハッ!」
トーカ(……)
――――チリーン、チリーン。
トーカ(……なんか、不思議な世界。……でも、何故だか安心する。ずっとずっと前は……苦しくて、つらかったような気が、するから……)
ハァ、と息をゆっくりと吐く。
アミュ「――――ん? ……どうした、トーカ? 顔がにやけてるぞ? 何か……いいことでもあったのか?」
トーカ「――――ううん! なんでもないよ!」
トーカ「……」
トーカ(……なんだか、嬉しい。理由はわからないけど。それでも……嬉しい。心がポカポカとしてくる……)
――――こんな日常が、いつまでも続いてくれれば。
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「――――ちがう! ちがうよ!」
「――――殺してやる。殺してやる!」
「――――塵は塵らしく舞っていればいいじゃない」
「――――私は――――絶対、貴方を助ける!」
「――――せんぱ~い! 返信まだですか~?」
「――――邪魔モノは必要ない。消えて」
「――――遊ぼうぜ!」
「――――無事でありますように」
「――――私は――――何がなんだかわからない。……わからない」
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――――こんなに。
――――こんなに……嬉しいのに。
――――何故だか、嫌な胸騒ぎがする。
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「――――負けてたまるもんか」
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――――今は。
――――今だけは。
番外編5.「家族ごっこがしたい」 ~to be continued~




