第1話
第一章 切り裂きジャック事件
2XXX年、ここは知る人ぞ知る小さな事務所。
日本の街の中、建物が並ぶ中にひっそりと営業されている、そんな場所に位置している。
その事務所の前に置いてある看板にはこう書かれていた。
""貴方には変えたい、消したい過去はありますか?""
""その過去変えます。""
そんな胡散臭い看板を提げる事務所の名前は
時崎改変事務所
今日も閑古鳥が鳴いている。
第1話
はずだった。
そうはずだったのだ。
夏が終わり秋に差し掛かろうと蝉の鳴き声が止んで来ているお昼の最中、1人の来客を告げる音が事務所に鳴った。
「いらっしゃいませ。」
少年ではない1人の女性が来客を迎える。彼女は少年の事務所の補佐、助手、事務を全てこなしている水際恵という。元々そんなにお客が来るような事務所でも無いが。
「こちらへどうぞ。私はこちらで所長の助手、事務などをしている水際です。ご要件を伺ってもよろしいですか?」
事務所に来たのは綺麗なハニーブロンドの髪をした少女とスーツを着こなした壮年の男性の2人組だ。
丁寧な対応でソファに迎え、お茶を出し要件を聞く。
「あの…こちらで過去を変えてくれるというのは本当ですか?」
おずおずとしながらも少女は尋ねる。
「本当ですよ。」
水際が少女の不安を和らげるような優しい眼差しで答える。
ぱぁーとそんな言葉が合うような笑顔に一瞬なるが、すぐにまた不安そうな、寂しそうな、そんな表情に戻り、話を始めようとした時、今の今まで眠たそうに、いや、今にも眠ってしまいそうになっていた少年…もとい所長が口を開いた。
「金はあるのか?ないなら帰れ。」
一言目がそれだった。今の失礼な発言の主がこの事務所の所長である時崎である。
「もう、時崎さん。またそうやって金金言ってお客様を帰らせてるから、この事務所万年お客様が来なくて赤字も赤字じゃないですか。」
そう言って水際は時崎を叱ったが
「あの、お金なら…あります。」
そう言って少女が封筒を取り出しテーブルの上に置くと、時崎は座っていた安楽椅子から立ち上がり少女の前まで行って封筒の中を確認した。
「ふむ…まぁいいだろう。話してみろ。」
完全に上から目線で少女に問いかける。
「もう。また所長ったら。お客様なんだからそんな言い方は…」
「いいんです、水際さん。実は…」
遮るように少女が告げ、そして話し始めた。




