俺は知らない
こいつらは、家の人を押しのきながら入って行く。
こいつらには、世の中の常識ってものをいつか俺が教える事になりそうだ。
「にしても、お前の部屋って汚いよなぁww」
「俺は自分の部屋なんて持ってないぞ。」
「じゃあ、ここは居間?」
「ああ、そうだ。」
「ふーん。」
「……寝床…の部屋に……行こう。」
「そう言えば、清忠のお母さんいないの?」
「お志津。俺の両親が旗本だってこと知ってるだろ?」
「…ぬっ!」
越久だけは声をあげて驚いたが、他の奴も(お志津以外)は
驚いて俺の方を見ていた。そんなに驚く事なんだろうか…?
「あれ、この人が前言ってなかったけ?」
「初耳です。」
「……馬鹿め…」
「なんで、俺はこんな時まで罵倒されなきゃならんのだ。」
「理不尽だと思うんですけど…」
「ま、俺にとってはどうでもいいことなのだがな。」
「利紀由は…知ってたろう?」
「あれれー?聞こえないなぁあ?俺、そこら辺詳しくないぞ。」
「そう言えば、土井もとさんでしたっけ?あんた。」
「そうですけど。」
「もとなんて言う変な名前なんだな。」
すると、土井もとさんは目を丸くした。なんか、おかしな事言ったか?
「えっ、私…えと…」
そんな風に彼女がパタパタと手を振っていると越久が…
「……江戸の街を歩くときは、…藁帽子をかぶる事を進める。」
なぜ、そんな話を急に持ってくるんだ。と、内心思いながら。
この人の髪の色を見てから思い直す。目立つなぁ…っと。
なぜなら、彼女の髪の色は黄色の輝きを持っている。かと言って、黄色ではない。
だが、明らかに日本人には見えなかった。
と、言う訳で。自分でどういう訳だ。とっ込みを入れる。
そこら辺にあった藁帽子を彼女に渡す。
「それかぶっときましょ。」
「一番安全だと思います。」
「…そう、…ですか?」
「貴方って日本国の人間なのか?」
「…はぁ。きっと。」
「おいおい、もとさん困ってるじゃないか。止めてやれよ。」
「えと、!だから、私は。…」
彼女が続きを言いかけたその時
ガシャッ!
「…何の音だ……!」
「すまぬ、無礼を許してくれ。」
そして…目の前に立っていたのは…侍所の…人物だった。
その人は口を開けて、問うてきた。俺は、ぼぉっと眺めるように見てしまっていた。
「…南蛮人のようなおなごをみとらんか…?」
まさに、彼女の事をいったことばだった。




