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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

終わり

作者: 童貞(39)


世界に終わりが近づいた





逃げなくちゃ

探さなきゃ


逃げなくていいや

ここでいいや




声が飛び交う。





生きたい

死にたくない

終わりたくない



生きたくない

死にたい

終わりたい





様々な声が飛び交った。





神だけは何も言わなかった。






そして世界は段々と

音を立てて終わっていく




泣く者、笑う者、様々


神は無表情のままだった




世界は終わった



そして神は言った


新しい世界を造らなくては。

 




【もう一話】

題『誓い』




「これ以上何も望みません。


だからもう何も奪わないで…」




少女は言った。

一度、二度、三度と。



少女は親を失った。

少女が幼いときだった。

少女は兄を失った。

兄は巨額の富を残した。





「おかねなんていらない…家族を、返してっ…」




少女は泣いた。

その声は虚しく、深夜の協会に響き渡る





それから、10年近くの月日が経った。





彼女には愛すべき夫

そして三人の子供が出来た。





彼女は思った。

両親を、そして尊い兄を奪った神は怨めしいけれど

今はこんなにも幸せだ。


これ以上を望んではいけない。


そして、今は、こんなに素晴らしい夫に出会わせてくれた神に。

こんなに愛らしい子供を授けてくれた神に。



とても深く感謝していた。





そんなある日のこと。



夫を仕事へと送り出した。

子供を学校へと送り出した。




そんな彼女の元に一通の手紙が届いた。

写真が添えられていた。



夫が、彼女ではない女と、腕を組み歩いているところだった。




彼女は深く悲しんだ。

そして、恨んだ。





家に帰った夫を有無を言わさず

台所にあった包丁で殺した。




子供が帰ってきて

彼女を恐がった。



彼女は子供を殺した。




子供と夫は行方不明になった。



夫の会社を畳んだ。



彼女は虚しさと、巨額の富を得た。





そして彼女は教会で

「ああ、神よ。

貴方は私に富以外のものを与えて下さらないのですね」





自らの喉を斬り

この世をあとにした。




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