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熊王伝  作者: ウル
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第83話 後処理

「まさか発生初期の魔王を封印できるとは思いませんでした。

 これも勇者様のおかげです。」

 センターの責任者がやってきて言う。


「だが、ここに来るまでに結構犠牲者が出てしまったぜ。」

 兄貴が答える。

 最初にタンゴと戦っていた冒険者達には相当な犠牲者が出ただろうからな。


「上位レベルの魔王を初期の段階で封印できた例は、過去に一度もありません。

 本来なら馬島北町の全ての住人は殺されていた事でしょう。」

 確かに、このままタンゴに暴れ回られていたら相当な犠牲が出ただろうが。


「封印はこの場所でこのまま強化をするのですか?」

 ウル様が聞く。


「途中で封印の場所を変える事はできませんからね。

 この辺りに結界を維持しやすい建築を施して、町の中に封印する事になりますね。」

 センターの責任者が言う。

 そうなるか。

 となると、この町の広場付近は今後は立ち入り禁止になるのだろうな。


 俺達は残りの処理をセンターに任せてセンターの部屋に戻る。

 

 するとイザベルさんが待っていた。

 早速首だけのケルティクを通じて、ピュートル公やオーウェル様にタンゴを封印した事を伝えてもらう。


 2日後に亀島北港にピュートル公の軍船が到着するので、俺達はそれに乗ってレオグラードに帰る事になった。

 スレイルさんは封印の一族全員を連れて一緒にレオグラードに向かうようだ。

 だが、俺達はここでスレイルさんからテセウスさんの戦死について聞く。

 テセウスさんは冒険者と一緒に魔王タンゴと戦った。そして、残った全ての勇者エネルギーをぶつけたらしい。

 少しでもタンゴの魔王エネルギーを削るために。

 俺は、スレイルさんにお礼を言い、テセウスさんの冥福を祈った。



 そして、半日近くが経ち日が暮れて来たので、センターの部屋に兄貴、ウル様、ロウガと俺が泊まる。

 2日待つ間に何をするかな。


「2日待つ間、何をする?」

 俺が聞くと、


「俺様は明日、ブランカに会いに行くぜ。」

 兄貴が言う。


「ブランカって誰だ?」

 俺は、誰の事か分からないので聞いてみる。


「ブランカさんは、パワーの番だ。

 馬島西町で技のコーチをしている。」

 ウル様が教えてくれた。

 兄貴に番がいたんだ。初めて知ったぜ。


「兄貴、俺にも紹介してくれよ。」

 それなら、俺も会っておくかな。


「ガイン、お前にはアリサがいるだろ。」

 兄貴が言う。


「兄貴、何か勘違いしてないか?

 どんな熊なのか会ってみるだけだぜ。」


「それならいいんだけどよ。」

 やはり兄貴は勘違いしていたらしい。

 それだけブランカさんの事を愛してるんだろうな。


「それじゃあ、明日ブランカさんに会いに行って、

 そのあとご主人様にも挨拶しておきたいな。

 本来ならここでドルカンコーチにも挨拶しに行く所だったんだよな。」

 ウル様が言う。

 ドルカンコーチは五島諸島のコーチだったんだよな。

 ハキルシアに来なければ死なせずに済んだのに。

 おっと、感傷に浸っている場合じゃないな。

 その前にウル様のご主人様ってどういう事なのかを聞いておかないと。


「あと、ご主人様って誰なんだ?」

 今度はウル様に聞いてみる。


「ああ、それは俺がこの世界に来た時に世話になった人がいるんだ。

 俺はしばらくその人の僕モンスターとして旅をして、その間にこの世界について色々教えて貰ったんだ。」

 ウル様が答える。

 そうか、ウル様がこの世界に来たばかりの時に世話になった人なんだな。

 俺も一度会っておくか。


 こうして、ピュートル公の軍船を待つ間、俺達は兄貴やウル様の知人に会いに行くことになった。


 翌日、センターでその旨伝えると、通訳を1人付けてくれた。

 勇者待遇と言うことらしい。


 そして、俺達はセンターの通訳を連れて馬島西町に飛ぶ。

 フライトとスピードを併用したので昼前には馬島西町に着いた。

 そして、西町のセンターに行き、ブランカさんに会いに行く。


 すると、赤ちゃんを寝かしつけているから待って欲しいと担当者に言われる。

 兄貴の子供が生まれていたらしい。

 聞いてみると雌2匹のようだが、生まれたばかりでまだ名前は決まっていないそうだ。


「ここはお父さんが名前を考えてあげないとな。」

 俺が言うと、


「ガイン、お前は決まっているのか?」

 俺に振ってくる。


「俺はアリサと相談して決めたぜ。

 雄だったらヴォイテク、雌だったらダーマという名前にしようって。

 ヴォイテクは古代語で戦士、ダーマは古代語で淑女のことだ。」

 俺は答える。


「ガイン、お前、結構先の事まで考えているんだな。」

 兄貴が言う。


「まあ、俺はずっとアリサといたからな。

 兄貴の場合、ずっと会ってねえんだろ。

 候補だけ考えておいて、会って相談するといいぜ。」


 そうこうしている内に、ブランカさんと思われる★4アルカスがやってくる。


「パワー、無事帰ってきたのね。

 勇者になって魔王と戦うって聞いたから、無事を祈ってたわ。」

 ブランカさんが言う。


「子供の側にいなくていいのか?」

 兄貴が心配して聞く。


「寝付いたからしばらくマスターに任せてきたわ。

 パワー、★6アルクトドスにまでなったのね。

 おめでとう。嬉しいわ。」


「俺様は、ハキルシアで暮らすことにしたんだ。

 もう五島諸島には戻らないからな。

 たまに来ることはあるかも知れねえが。

 だから、帰る前にブランカに会いに来たんだぜ。」


「実はね、私、パワーに付いて行こうかって考えてるの。

 マスターに相談したら、向こうの暮らしをちゃんと確認してからにしなさいって言われたわ。」


「戻ってからの暮らしか。

 俺様は連合国のモンスター部隊を率いているから、ハキルシアに来るなら、連合国のモンスター部隊の中で暮らす事になるぜ。

 そうだ、ここにいる俺様の仲間を紹介するぜ。

 ★5シリウスが連合国アドバイザーをしているウル様。昔俺様と一緒にいたから知っているよな。

 こっちの★6ポラリスが俺様と一緒にモンスター部隊を率いているガイン。

 そして、★4ガイアがロウガだ。」

 兄貴に紹介してもらったので、俺達は各々名乗る。


 その後、ブランカさんと色々話し、まだ魔王が暴れた後処理でハキルシアはバタバタしているから、落ち着いたらブランカさんを迎えに行くという事になった。


 その日は馬島西町のセンターに泊まる。

 兄貴だけはブランカさんの部屋に入り、娘達の顔を見て、名前を決めてきたらしい。


 次の日、ウル様が世話になったというモンスター使いのレンディールさんに会いに虎島北町に飛んで行った。

 虎島北町のセンターに行き、レンディールさんがいないか聞くと、今北町にいるらしい。

 センターの担当者が呼びに行ってくれ、しばらくして★3ロックと★3ライガーを連れた人間を連れてきてくれた。


「ウル、パワー、活躍は聞いているわ。

 2人とも世界の英雄ね。すごいわ。」

 レンディールさんが言う。


「必死にやっていたらいつの間にかこんな感じでしたね。

 俺は、今後はハキルシアで暮らしますから、一度挨拶しておこうと思って寄りました。」

 ウル様が言う。


「そうか。

 ウルは、新しくできた連合国のアドバイザー様だもんね。

 パワーも連合国のモンスター部隊の大将になったのよね。

 昔の知り合いがここまで立派になると、ちょっとコンプレックスを感じちゃうわ。」

 レンディールさんが言う。確かにそうかも知れないな。


 その後、レンディールさんに俺達を紹介してもらう。

 レンディールさんは今後も虎島で冒険を続けるらしい。

 ウル様がノリクの件を話すと、レンディールさんも意外がっていた。

 まあ、普通はそう思うよな。

 俺も信じられなかったし。


 そして、センターのマイケルさんと言う担当者に話して、魔王ベリエルの封印の一族にも挨拶を済ませる。

 そんな事をしながら2日が過ぎ、俺達はピュートル公の船でレオグラードに向かって出発した。


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