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熊王伝  作者: ウル
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第81話 五島諸島で魔王退治

 俺達は3日かけてレオグラードに戻る。

 地上の様子を見なくていいので全力移動できるのと、夜もある程度移動する事で最低限の日数でレオグラードに戻った。

 既に、五島諸島に説明するため、ウル様とスレイルさんそして連合国のレイモンド外交官、レオグラードのアンネコフ内政官が向かっているらしい。

 すぐに俺達も後を追う事になる。

 五島諸島の中で最も北の亀島までフライトとスピードを併用して徹夜で3日。普通に野営する程度の時間であれば5~6日。とは言え、広い海の中で野営できるような場所などどこにもない。


 1日目はピュートル公が五島諸島に向けた船があるのでそれを見つけて船の中で一晩過ごして欲しいとの事だ。

 そして、2日目から48時間余りは徹夜で亀島北港まで飛ぶ事になるようだ。


 五島諸島へは兄貴と俺、対魔王兵器のロウガ、諜報部隊長のイザベルさんが行く事になった。さらにテセウスさん「魔王レオニエル」がついて来てくれた。勇者としては俺達の力の方が遥かに大きいと言うが、タンゴがやって来る時に少しでも戦力になるためだと言う。

 レオグラードの結界はどうするんだと聞いたら、ジークと★5オニクビとなったゼルが担当していた。ジークがゼルにサンクチュアリを教えている最中のようだ。



 翌朝、俺達は今度は五島諸島に向けて出発する。

 1日目は聞いた位置にピュートル公の船を発見したので、そこでピュートル公の書状を見せて休ませて貰う。

 2日目からは徹夜だ。昼間は全員フライトとスピードを併用して進むが、夜になると、俺達は交代でイザベルさんを背中に背負って飛んでいく。

 イザベルさんは一番地理に詳しいので正しい方角を判断して貰うため、少しでも睡眠を取って欲しいからだ。

 4日目の朝になって、五島諸島の北にあるという亀島が見えてきた。

 五島諸島との交渉は既に始まっている筈なので、俺達はイザベルさんの案内で亀島北港のセンターへ行き、休ませて貰う。

 既に、五島諸島はウル様の案を受け入れたらしい。

 よく俺達の力も見ずに認めたなと思ったが、ウル様が法螺を吹いたのかも知れないから黙っておくか。

 睡眠を取った後、急いで馬島北町に来て欲しいとの事。

 起きてから事情を聞くという事で、俺達は一旦眠らせてもらった。


 起きた時は既に夜になっていた。12時間以上も寝ていたらしい。

 完全に夜中でセンターも対応できないので、このまま明日の朝まで寝て体調を万全にしておこうという事になった。


 5日目の朝、センターの説明を聞く。

 既に、魔王の封印を解くために多数のメンバーが封印の解除に動いているようだ。

 1つ目が馬島北町の近くの魔王カマエル。

 2つ目が馬島南町に近い魔王アリエル。

 3つ目が竜島西町に近い魔王シャムエル。

 俺達にこの順番で次々に魔王を滅ぼしてほしいとのこと。

 特に魔王アリエルは比較的多くの力が残っているから要注意との事だった。


 俺達はフライト・スピードをかけ、馬島北町へ移動する。

 アンネコフ内政官には馬島北町にいるウル様と合流して貰い、イザベルさんにも付いて来て貰うが、戦闘はせず安全な所にいて貰う事になった。

 その後馬島北町のセンターの担当者の案内で魔王カマエルの封印に行く。

 午後には封印の間に到着し、既に封印の守護者が、封印の解除の儀式を進めていた。


 そして、センターの担当者が封印の守護者と話をし、魔王の封印を解く。

 封印が解かれると魔王が現れ、体長15メートルほどの竜族の姿になった。

 これが魔王カマエルか。

 はっきり言って、リバイアサンの魔王より弱そうだ。

 封印されている時点で力の大部分は失っているだろうからな。


「バルキリージャベリン」×2


 兄貴と俺は、封印解除までエネルギーを貯め続けたバルキリージャベリンを魔王に放つ。

 魔王は一瞬で溶けて消えた。

 と言うか、竜族の姿の原形をとどめないほどのダメージを受けていた。

 あっけなさすぎだろ。

 魔王ってこんなに弱いのか?


「これで終わりか?」

 兄貴が聞く。


「流石は勇者様。

 封印されていた魔王など一撃ですか。

 魔王は完全に消滅したようです。」

 センターの担当者が言う。


 こんな奴まで封印までしなきゃいけなかった魔王なのか?

 それとも俺達が強くなりすぎたのだろうか?


「終わったから、急いで魔王アリエルの所に向かうぞ。」

 兄貴が言う。


 俺達は次に魔王アリエルの封印に向かう。

 日が暮れたが、なんとか封印の間に辿り着いた。


 封印に着くとスレイルさんがいた。

 話を聞くと、魔王レオニエルの封印の一族を連れて来てくれたようだ。

 魔王アリエルは、元は上位レベルの魔王であるためまだかなりの力が残っているので危険と言う事らしい。

 魔王レオニエルの封印の一族が魔王と戦うためにやってきてくれたのだ。

 さらに、冒険者やセンターの警備隊員の精鋭まで動員して封印を囲むという厳重態勢だ。


 魔王アリエルの守護者たちが封印を解いている間にセンターの担当者と作戦会議に入る。


「魔王が復活したら、俺様達がエネルギーを貯めたバルキリージャベリンを放つ。

 魔王カマエルを一撃で倒した威力の技だ。

 だが、今度の魔王はそんなに甘くねえんだろ。

 魔王の破壊攻撃は魔王の近くにいる方がダメージがでかい。

 警備隊・冒険者とスレイルさん達は、離れたところから魔王に遠距離攻撃技の集中砲火をしてくれ。」

 兄貴が言う。


「分かりました。

 このまま、封印の間を囲うように待機し、魔王の登場と同時に最大限の魔法をぶつけます。

 魔法を撃ち尽くしたものは、一旦魔王から距離を取らせていただきますが、大丈夫ですか?」

 警備隊長が聞いてくる。


「それで構わない。

 魔王の攻撃が来たら、負傷者を連れて離れてくれ。」

 俺が言う。


「我々は、技で攻撃するため、距離を取りつつ攻撃を続ける。」

 スレイルさんが言う。


「今のうちにリジェネレーションとか強化技は全員にかけておいてくれよ。

 余裕があれば警備隊のメンバーにもかけてくれ。」

 兄貴が言う。


「俺はある程度離れた所から攻撃技をぶつけていればいいんだよな。」

 ロウガが聞く。


「そうだ。

 もし、魔王の危ない遠隔攻撃が来そうなら代わりに受けてくれると助かる。」

 俺が言う。


「分かったぜ。

 間に合うときはなるべく俺が受けるようにする。」

 ロウガが答える。

 とりあえず、今できる事はこれ位か。


 打ち合わせが終わり、俺達は強化技をエクステンドで延長し、ロウガに全ての強化技をかけた後、バルキリージャベリンのエネルギーを貯め続けた。


 1時間後


「もうすぐ、魔王の封印が解けます。

 準備をお願いします。」

 封印の守護者から言われたので、俺達は封印の間の前に行く。


 封印が解け、中から巨大な人間の姿をした魔王が出てきた。

 人間も魔王化することがあるらしい。

 体長30メートルくらいあるな。結構でかい。

 破壊の概念を持つ魔王は大きさでエネルギー残量が分かるので、カマエルよりもかなり強いことが分かる。


「バルキリージャベリン」×2


 俺と兄貴の必殺技が決まる。

 それだけで魔王の体長が20メートルくらいまで縮んだ。

 とは言え、これは数十分勇者のエネルギーをジャベリンにつぎ込んで与えたダメージだ。ここから先は地道に削っていかなければならない。


 同時に大量の攻撃魔法が魔王に放たれる。

 魔王は体を震わせて衝撃波を放ってきた。


 俺達は全然ダメージを受けない。勇者のエネルギーが盾となってダメージを吸収してくれるからだ。

 後ろにいるスレイルさん達や冒険者・警備隊のメンバーが心配だが、そっちを見ている暇はない。


「バルキリージャベリン」

 俺は2発目を放つ。

 1発目と違い時間をかけていないので大したエネルギーを集めきれていないが、着実にダメージを与えられるし、魔王が一瞬でも怯めば儲けものだからだ。

 警備隊が魔法をあらかた撃ち尽くしたな。

 そろそろ近接攻撃に行くか。


 魔王の目が俺を見た。この中で一番厄介と判断したらしい。

 来いよ。

 俺は態度で魔王を挑発すると、魔王に向き合った。


 だが、魔王は先にもう一度衝撃波を放つ態勢をとる。

 そして、魔王は俺を凝視している。

 魔王には、横からタックルを仕掛けようとしている兄貴は見えていない。


 兄貴のタックルが魔王に決まる。

 既に魔王の体長は十数メートルにまで縮んでおり兄貴より二回りでかい程度だ。

 魔王は勢いよく吹っ飛ぶ。

 だが、吹っ飛びながら魔王は再度衝撃波を放ってきた。

 悪いがその攻撃は俺には効かない。後ろの冒険者や警備隊にはきついだろうが。


 俺も魔王の方へ突っ込む。


「ジャンピングクロススラッシュ」

 俺は、転びかけている魔王に必殺技をぶち込む。

 完全に魔王を転ばせた。


 ここまでくれば、後はリバイアサンの魔王と同じだ。

 魔王の両腕と両足を俺と兄貴で抑え込み、スレイルさん達に攻撃技を連射してもらう。


 スレイルさん達は多数が負傷していたが誰も戦線離脱していないようで攻撃技をぶつけてくれている。

 冒険者や警備隊は既にかなり距離を取ったようだ。

 全員の集中攻撃で魔王にそれ位以上の反撃を許すことなく、俺達は魔王アリエルと滅ぼすことに成功した。


 魔王が完全に消滅したのを確認して、スレイルさん達や冒険者・警備隊の無事を確認する。

 重傷者は多数いたものの、幸い犠牲者は1人もいなかった。


 俺達は、スレイルさんの力も借りて、負傷者全員にリザレクションをして回った。


「まさか魔王アリエルを1人も犠牲者を出す事なく滅ぼすことができるとは。

 勇者様のおかげです。

 ありがとうございます。」

 警備隊長が言ってくる。


「魔王の封印を解く案を出した以上、当然だぜ。

 明日は、最後の魔王だよな。

 朝には出発するから案内を頼むぜ。」

 兄貴が言う。


 今回テセウスさんは見ているだけだった。

 聞くと、少しでもタンゴのエネルギーを奪うために力を温存する方針らしい。


 既に日が暮れているので、今夜もイザベルさんがケルティクと通信を行う。

 どうやらタンゴはレオグラード近辺の海を越えて南に向かったらしい。

 今から移動しても最低3日はかかるよな。間に合う筈だ。

 センターの担当者にシャムエルの封印は俺達が着いたらすぐに解除可能か聞くが、そのように手配している筈だという事。まあ、直接現地の状況を見た訳じゃないから実際の所は分からないだろうが。

 俺達は明日の朝最後の魔王の所に向かうから案内してくれるように頼んで寝た。


 次の日の朝、俺達は破壊の概念を持つ中で最後の魔王シャムエルの封印に向かう。

 封印解除まで数時間待ったとは言え、俺達は問題なく魔王シャムエルを滅ぼす。

 よし、これでタンゴが破壊の概念を手に入れる事はなくなった。


 全ての任務が済んだので、俺達はセンターの本部がある馬島北町に移動して打ち合わせをする事になった。

 そこにはウル様達も待っているようだ。


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