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熊王伝  作者: ウル
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第78話 魔王襲来

 こうしてロウガの訓練をしながら3日ほどが過ぎた。

 その間にエリーが★3ロックに進化した。

 これでゼル隊のメンバーは全員が★3まで進化したことになる。

 

 ロウガも★3ガイアに進化した。

 ★3ガイアの姿は馬の姿だ。ガイアと言うのは進化する度に姿が変わるようだ。

 馬の姿では折角覚えたトリプルスラッシュは使えないな。

 まさか、進化したらこんな姿になるとは思っていなかったから仕方がない。

 本人もやる気になっていて新しい技をどんどん覚えている。上手くおだてて、こいつのやる気を維持し続けないといけないな。


 そして、その日の昼頃、レオグラードの北に巨大な★5リバイアサンが現れた。

 これが新しい魔王か。

 だが、ウル様やパワーの兄貴達がサンクチュアリの結界の準備は進めているので問題はなさそうだ。

 俺の役割は万が一結界が破られたときに、ロウガと一緒に陽動することだ。

 それ以外に、全軍が一斉攻撃できるよう準備もできている。


 魔王がある程度近づいたところで、魔王の強力な破壊攻撃が飛んできた。

 だが、サンクチュアリの結界に阻まれた。

 魔王はその後も破壊攻撃だけでなく、近づいて肉体攻撃をするが結界は破れない。

 事前に近隣住民は全員避難済みなので、他に攻撃対象はない。

 魔王は破れない結界を攻撃し続けている。

 このパターンになれば、いずれ魔王は力を消耗して弱体化しそうだ。


 俺は大丈夫そうだと判断し、一旦ウル様の所に戻る。

 すると、ウル様とテセウスさんが話していた。


「ウル君、結界は順調のようだね。」

 テセウスさんが言う。


「この調子ならテセウスさんの手を借りることなく魔王を倒せそうな気がします。」

 俺が答えると、


「そうだな。

 半分は無事倒せそうだな。」

 テセウスさんが言う。


「半分と言うのはどういうことですか?」

 俺が思ったことをウル様が聞くと、


「魔王レベルは欲望エネルギーが溜まった量に比例することは分かっているね。

 直前の魔王出現から190年経った現在なら魔王レベルは上の上の筈だ。

 しかし、見た限り帝都方面である程度エネルギーを使ったと仮定しても中の上レベルだ。

 このレベルの魔王のエネルギーが溜まるまでの期間は80-100年程度。

 つまり、この魔王は溜まっているはずのエネルギーの半分しか持っていないという事だ。」

 テセウスさんが言う。


「という事は、魔王は2体いるという事ですか?」


「そう考えた方が辻褄は合うな。」

 ちょっと待てよ。

 魔王がもう1体いるのかよ。

 ★5リバイアサンの魔王は楽勝っぽいなと思ったのは甘かったみたいだ。

 そういえば、魔王の左目の下の傷の形、見覚えがあるな。


「そう言えば、魔王の★5リバイアサンは、ノリクの新兵器の所にいた奴じゃないか?

 左目の下の傷の形がそっくりなんだが。」

 俺がそう言うと、


「なんだって?

 他に見ていた奴はいないのか?」

 ウル様が聞いてくる。


「俺様はあの時中にいたからな。」

 兄貴が答える。

 あの時兄貴は内部の制圧をしていたからな。


「結界がなければ匂いで確認間違いないか確認できるんだが。

 その時一緒に戦ったメンバーに確認してくるぜ。」

 俺はそう言って、当時近くで戦っていたメンバーに確認をしに行った。

 やはり、俺の予想は間違っていなかったようだ。


「確か、その部隊を率いていたのはタンゴだったはずだ。」

 ウル様が言う。

 という事は、タンゴの部下がエネルギーの半分を持って魔王になったという事だ。。


「破壊のエネルギーを集めて、自分の意志で魔王になれるということか。」

 ジークが聞いてくる。


「それで何となく読めてきた。

 タンゴは、部下に自分が支配できないような大きな力を持たせたりしない。

 残りの半分の魔王のエネルギーを自分のものにしている可能性が高い。」

 ウル様が言う。


「てことはなんだ。魔王化したタンゴを倒さない限り、平和にはならないってことか。」

 パワーが聞く。


「そうだろうな。

 しかも、タンゴは目の前の★5リバイアサンの魔王のようにエネルギーの浪費などしてくれないだろうしな。」

 ウル様が言う。

 その予想はずれていて欲しいが、当たっていると直感した。


「魔王化すると判断力が落ちるのかも知れねえ。

 ★5リバイアサンも新兵器を守って戦ったときは結構強敵だったからな。

 目の前の相手をひたすら攻撃する今の魔王はとても同一人物とは思えねえ。」

 俺が気づいたことを言う。

 なので、タンゴの奴も魔王になって判断力が落ちてくれると助かるのだが。


「確かにそうかもな。

 歴史上の魔王は、全員絶え間なく破壊発動を行っている。

 まともな判断ができるなら身を潜めるとか色々できるだろうからな。

 それなら、タンゴが魔王化していたとしても近いうちにどこかで目撃されるか。

 まずは、目の前の魔王を倒す。

 タンゴについてはそれからだな。」

 ウル様が言う。

 まあ、いずれにしても目の前の★5リバイアサンの魔王を倒すしかない。

 魔王は破壊攻撃を続けているのでいずれガス欠するだろう。


 次の日の朝、目が覚めると★5リバイアサンの魔王は既に体長20メートルくらいまで縮んでいた。

 破壊の魔王の残りのエネルギーは魔王の体長に影響するらしい。

 実際破壊攻撃の威力は当初より明らかに弱まっていた。


「そろそろ、結界から打って出てもいい頃じゃねえか?」

 兄貴が言う。

 ピュートル公やオーウェルさん達にも相談した結果、結界の維持もきつくなってきたため、どこかで時間を区切って結界を終了させ、魔王を仕留めに行く方針になった。


 そして、いよいよ結界を終了させる時間の前には、魔王を攻撃する精鋭の態勢が整っていた。

 結界が切れた瞬間、魔王の前で準備していた南部貴族連合軍・連合国軍による魔王への一斉の総攻撃が行われた。


 魔王は悲鳴を上げ、体長が15メートル弱にまで縮んだ。

 そして、遠隔攻撃が終わった頃を見計らって俺は兄貴やロウガと一緒に攻撃に行く。

 魔王も負けずに衝撃波を放ってくるが、熊族は耐久力に秀でるのでまだ耐えられるし、魔法のリザレクションも温存している。

 兄貴と俺の2匹がかりで魔王を押さえ込み、遠距離攻撃の集中砲火で魔王を倒した。

 だが、魔王はもう1体いる。

 次はその対処を考えないといけない。


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