第74話 対魔王最終兵器
「たいへんだー。エルモンドに謎のモンスターが攻めてきた。
ヴァディス隊長に早く連絡しろ。」
近くにいた★2サーベルタイガーが叫ぶ。
「待て待て、俺だ。ガインだ。」
俺は慌てて言う。
「嘘つけ。
ガイン大将は★4アルカスだ。
それに、今レオグラードに行っている筈だ。」
そりゃエルモンドに残した隊員からすりゃそう思うよな。
「俺は★6ポラリスに進化したんだって。
専用技のテレポートでエルモンドに戻って来たんだ。」
俺は言うが、目の前の★2サーベルタイガーは疑いの目で俺を見ている。
「どうしました?」
しばらくして、★4シルバードラゴンのヴァディス隊長が隊員を引き連れてやって来た。
「ヴァディス隊長、久しぶりだな。
俺だ。進化して姿が変わっているがガインだ。」
俺は必死に自分の身の潔白を主張する。
「クー、匂いで分かりますか?」
ヴァディス隊長が言う。
「確認してみます。」
すると、★4ヴァナルガンドが俺に近づいてくる。
クーはいつの間にか★3ダイアウルフから進化していたんだな。
俺は潔白なので、黙って匂いを嗅がせる。
進化しても匂いは変わらないと知っているからだ。
「確かにガイン大将のようです。」
クーが言う。
ようやく俺の身の潔白が証明された。
「久しぶりだな。
俺は★6ポラリスに進化したんだ。
で、急ぎの用事があったので、専用技のテレポートでレオグラードから飛んできた。」
俺はヴァディス隊長に事情を話す。
「急ぎの用事とは何でしょう?」
ヴァディス隊長が聞いてくる。
「実は帝都に魔王が現れた。
エルモンドに対魔王最終兵器のガイアがいるから、急いで連れて行くためにテレポートで飛んで来た。」
俺は事情を話す。
「分かりました。
館の留守を預かっているネフェル殿の所に案内します。」
ヴァディス隊長が案内してくれる。
ネフェルさんは知っている。首輪に殺されたモンスターを施設に案内してくれた人だ。
「ヴァディス殿、急用とのことですが。
こちらの大きな熊はどなたですか?
記録上にない熊族ですが。」
館から出てきたネフェルさんが言う。
「こちらは、★6ポラリスに進化したガイン大将です。
急用があってテレポートでエルモンドにやって来たようです。」
流石にネフェルさんから見ても俺は不審だろうから最初はヴァディス隊長に言って貰った。
「ガイン殿なのですか?」
ネフェルさんが驚いて聞く。
「そうだ。
首輪に殺された敵モンスターを担いだ俺を案内してくれただろ。」
俺は、ネフェルさんと俺と兄貴しか知らない事実を言う。
「確かに、その事実はパワー殿とガイン殿しか知らない筈ですな。
しかし急用とは何があったのです?」
「実は帝都の辺りに魔王が現れた。
レオニエル殿とは別の破壊の権化の魔王だ。
ウル様の話では、エルモンドに対魔王最終兵器のロウガと言う名前のガイアがいるので、至急連れてきて欲しいという事で、テレポートを覚えた俺が来ることになった。」
俺は事情を話す。
「オーウェル様の許可は取ったのですか?」
「ケルティクから許可は取ったとは聞いたが、証拠の書類はない。
オーウェル様はレオグラードに向かって行軍中だからな。」
「では、しばらくここでお待ちいただけますか。」
そう言うと、ネフェルさんは館の中に入っていく。
十分以上待ったが、ネフェルさんが1人の人間を連れて出て来た。
「ドルク様の許可は取りました。
こちらは、私の後任になるキャロルです。
彼に案内してもらって、ガイアを連れて行ってください。
あとヴァディス隊長に頼みたいのですが、ドンロンまでガイン殿とロウガの護衛をお願いします。
ガイン殿は、ドンロンでレオグラードまでの護衛を調整して貰うようお願いします。」
ネフェルさん、あっさり認めてくれたな。
それとも、領主代理のドルク様が許可を出してくれたのか。
護衛をつける事でチェックを入れるつもりなのか。
一度認めてしまえば、ざるのような気がするがこの際気にしてもしょうがない。
俺は、キャロルさんに連れられて、かつて首輪に殺されたモンスターを運んだ研究所に行った。
キャロルさんが研究所の職員に事情を話すと、ガイアであるロウガを連れてきてくれた。
これが対魔王最終兵器?
小さなドラゴンの姿をしているが体長1メートルもないじゃねえか。★1モンスターレベルだぞ。
大丈夫かよ。
いや待て、ウル様が超スパルタ教育をして無理やり進化させるんだったよな。
魔王のエネルギー攻撃を吸収するって話だから、進化してでかくなれば大丈夫か。
「こちらは、★6ポラリスのガイン殿。
ロウガ殿をレオグラードに送って貰えます。」
キャロルさんがロウガに俺を紹介してくれる。
「ガインだ。
帝都に魔王が現れた。
お前の活躍の場が来た。レオグラードに来て貰うぞ。」
「ちょっと待ってくれ。
俺は、まだ孵化して時間が経ってない★1だぜ。
魔王相手に何ができるっていうんだ?」
ロウガが言う。
普通に考えればそうだよな。
「俺はお前を連れて行くよう指示されているだけだ。
ウル様に考えがあるらしいから、レオグラードまで来てもらうぞ。」
スパルタして無理やりレベルを上げるとか言うと、抵抗される気がしたので、俺は敢えて事情を話さずにロウガを連れて行く事にした。
この大きさなら俺が抱えて飛んでもいいよな。
俺はヴァディス隊長に護衛されてドンロンに向かう。
そして、ドンロンでエリーゼ様に面会して護衛を頼み、冒険者1パーティーを連れていく事になった。




